電氣アジール日録

自称売文プロ(レタリアート)葦原骸吉(佐藤賢二)のブログ。過去の仕事の一部は「B級保存版」に再録。

2004-10-01から1ヶ月間の記事一覧

リアルタイムじゃ眼を背け、思い出じゃ美化される思春期

花沢健吾『ルサンチマン』と、新海誠『ほしのこえ』という組み合わせで書こうかと思ったが、また後日。

酒、煙草、セブン12話は大人になってから

と、そんなことを考えてたら、ちょうど『映画秘宝』最新号の、特集「闇に葬られた日本映画の謎」で、『ウルトラセブン』のスペル星人だの、『怪奇大作戦』の狂気人間(そういやちょうど今『モーニング』でやってる『ブラックジャックによろしく』の内容と大…

戦争教育という残酷見世物

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20041025-00000052-jij-soci 社会ニュース - 10月25日(月)22時1分 肝試しに被爆写真=「児童怖がらせたかった」−課外授業で小学教諭・熊本 熊本市立小学校の男性教諭(59)が肝試しと称して、被爆者の写真を児童に見せ…

あの共同性はもう戻らない?

五郎氏の『宇宙戦艦ヤマト』から、石光真清『城下の人』シリーズ、司馬遼太郎『坂の上の雲』のナショナリズムを思い出しての感慨に関連して少し気づいたこと。 確かに『城下の人』シリーズも、日露戦争あたりまでは維新以前の武士道へ自然な愛着と輝かしさ(…

問題は、思想の中身の上下左右ではないのだ。

このへんは、かつて自分もそういうフシがなきにしもらずだったからこそ世代的責任感を持って強調しておくが、未熟な若人が、まず自分自身の立ち位置(どうやって喰って、生きてるんだ?親に養ってもらってるのか、毎日何やってるんだ、どういう文明の利器に…

昨日の補遺とか

ああそうだ、昨日、ある意味で一番重要な点を書き落としていたかも知れない。 http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20041013 ・浅羽氏は、「脱正義論」には企画、構成から全面協力していた。「自分は小林さんが運動や組織で盛り上がっているときは距離をおいてて…

敗者「皇道派」の弁明(再掲)

http://d.hatena.ne.jp/gaikichi/20040814

ネット世論は右傾化したのか?(再掲)

http://d.hatena.ne.jp/gaikichi/20040813

なあ、南京とか自虐史観とか言う前によぉ、例えば自分らは一体いつからネットと携帯が当たり前の生活になったかとか、「自分自身の首から下の歴史」を身体的実感に即して見直すとかの方が、今やよほど重要じゃないのか?

この章で新潟での講演会――1997年、『戦争論』の一年前――でよしりんは、大月隆寛が語る民俗学的生活史を受けて、火鉢や掘りごたつからストーブ、電化を経て、床暖房までへ到る自身が体験した等身大の歴史を語った。自虐史観でない歴史を取り戻すとは、国家意…

不明瞭な世間責任、明確な自己責任(再掲)

http://d.hatena.ne.jp/gaikichi/20040805 戦中の日本軍が全員、一切、残虐行為なんて行わなかった聖人君子だったなどありえねえっての。だが、意図的な大量虐殺ではなく、それこそやむにやまれぬ状況によっての結果的なものも多かったのではないか? そのへ…

本宮ひろ志連載中断問題関連

http://d.hatena.ne.jp/hotsuma/20041013 http://d.hatena.ne.jp/claw/ じつは『国が燃える』はチェックしてなかったんで私見は控える。 で、以前からの大雑把な私的個人的な本宮ひろ志への印象。 ひょっとすると今いきなり、過去の本宮を知らない世代の間で…

10/13早稲田大学浅羽通明「日本現代文化論」小林よしのり降臨

http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20041013 gryphon殿、お疲れ様でした。 「私もニセ・マ時代、自分の口ぶりを真似る読者を見て「知のおたく」批判を書いたら、「知のおたく」批判を真似る読者が急増。さらに根源的な批判として知識人批判をしたら、知識人批判…

珍しく引用ばかり。しかし今回は義務感を覚えたので

たまたま今、まさに深夜アニメの『ジパング』を見ながら書いてる……。

器械による生活スタイルの変容の実例A

先日、多摩センターに行った時に考えたことの続きのような話。 この10年くらい、情けなくも結局、定職についたりつかなったりを繰り返しているわけだが、今となってはまったくの昔話、10年近く前、年長の知人から「パソコン持つなゲームするな暇な自分を直視…

成長物語に必要な要素 『鋼の錬金術師』『忘却の旋律』

上記の感慨の根拠の一つが『鋼の錬金術師』。主人公兄弟が、錬金術の失敗で生身の肉体を半分失った異形の人外の境界の者ってのは古典的だなあとか、死んだ母を甦らせようとして失敗、自分の体を取り戻すのが戦う動機、ってのは実に後ろ向きだとかはじめ思っ…

みんな傍観者じゃ話がつまらねえ 『仮面ライダー剣』

ライダー、ヒーローといやこれだ。2年前の今頃「もはや正義も悪もない万人の万人に対する闘争」の『龍騎』は観てて落ち着かないが斬新さは認める、と書いた、去年の今頃、で、古典的な善悪図式を復活させた『555』は白々しく見えてしまう、と書いた。『剣』…

今度は逃げるな もう一度走れ! 『サムライダー』

ライダーといえば、連載で読んでなかった初期展開を第1巻購入して確認。少し前の『映画秘宝』すぎむらしんいちインタビューで、これまでギャグでウヤムヤにしてた点を振り切り、今回はシリアスで行くと語ってた志は大いに好感。が、すぎむら漫画王道の「格…

Jヤンキーの愛国心 『凶気の桜』

反米とか右翼とか憂国といえば、今さら、前から気になってた『凶気の桜』(主演:窪塚洋介/監督:薗田賢次)やっと観る。井上三太の漫画みたいなJスキンヘッドだけど古典東映ヤクザ映画のテイストを踏襲。少々極端だが、こういう心性の若者、現実いてもお…

論壇誌 同盟国の大衆 国民の義務

『諸君!』「世界〈嫌ブッシュ〉同盟は「華氏911」度で燃え尽きたか」中西輝政論考、「ブッシュはアホそうだが同盟国の指導者が偉すぎるのは困る」(大意)というブッシュ肯定論の視点は珍しい。でもあくまで日米同盟堅持の枠内なのは逆説的に戦後平和主義左…

地面とお天道様の必要性 『わしズム Vol.12』

既にあちこちで書かれてるけど、浅羽通明、宮台真司、宮崎哲弥、香山リカの揃い踏みは壮挙。バランスは良い。ゴー宣EXTRAと浅羽論考、「天皇家一族自身の人格は無視されてきたが、そういうシステムにわれわれは乗っかってきた」という天皇制批判でも擁護でも…

時間がねえが書かねえと忘れちまう

これまでの怠惰のせいもあって急に忙しくなってきたが、日々考えたこととか忘れんよう自分用覚え書きメドレーで、少々こじつけ気味ながらしりとり風に。

半端な悪党 矛盾する行動のリアルさ

『藪の中』の盗賊多襄丸は、殺しも強姦もやるだろう悪党だが、(状況的には彼のせいでも)直接殺したわけでもないかも知れない相手のことを自分が殺したと言ってみたり、悪党なんだからエゴイスト一辺倒でもない、どこか自分で自分の悪事の範囲を意識した人…

矛盾こそ世の中のあるべき姿?

論理的整合性のオチなどつかないブラックボックス小説といえば、こないだ初めて芥川龍之介の小品『藪の中』を読んだ(この歳まで、どんな話かは知ってたけど未読でした)。※以下ネタバレ注意。盗賊の多襄丸は「夫婦者を襲って女の方をレイプして夫の方と決闘…

ブラックボックスを意識する神の目

昨今の物語表現の悪い癖の一つは、何でも自己言及的に説明しすぎることだ、とか言われ紀里谷和明監督の『CASSHERN』もそう評されてたのを目にしたが、先日西尾維新を読み始めても少しそう思った。 『クビキリサイクル』を読んだ段階では、話の舞台となる「鴉…

ジャンク民営資本主義は人工的には育たず

パルテノン多摩の中には、地元の歴史を展示するミュージアムがあった。昔この地域では竹細工産業が盛んで、ザルなどが造られていたという――と、いうことは、この地には、かつては山窩(サンカ)の里があったのだろうか? ミュージアムはそこまでは伝えてない…

武蔵野シベリアの多摩グラード

確か10年ちょっと前にどこぞの映画館の押井守特集イベントで、押井守による世界最初のOVA『ダロス』(実は未見)に出てくる未来都市のモデルは、多摩ニュータウンだと聞いたような記憶がある。いや笑い話じゃない、多摩センター駅周辺の、モノレールが走…

匿名の群衆に紛れられる空間がなさそうな街

野暮用あって多摩センターへ。京王線で調布から西なんて行く機会はなかったから、新宿から30分そこいらでこんな山も森林もある土地に来られるとは知らなかったんで少し感心。 確かに空気は良さそうで、目も休まりそうだ、が、(住人には悪いが)こういう郊外…