電氣アジール日録

自称売文プロ(レタリアート)葦原骸吉(佐藤賢二)のブログ。過去の仕事の一部は「B級保存版」に再録。

2005-06-01から1ヶ月間の記事一覧

この上原作品が凄い

・取材前に上原脚本作品を数本観返したメモから●『帰ってきたウルトラマン』(第一話「怪獣総進撃」) ・アーストロン出現 逃げ遅れた村の娘、下敷きになった祖父の側から逃げようとしない 「おじいちゃんと一緒じゃなきゃやだー!」(そこを郷秀樹が助ける…

上原インタビューこぼれ話少々

・『TONE』第2号の特集タイトルは当所「日本の戦争」だった。 そんで力の入った取材企画書と取材依頼文を書いたのだが、円谷プロ経由で依頼を受けてくださった上原氏は、取材当日の最初のお言葉が「今日は何の取材ですか? ウルトラマンのお話ですか?」で…

「仕事なんだよ」

昨日は渋谷で作戦会議。 ひどく暑い。 渋谷の駅近辺は路上キャッチセールス男でいっぱいだ。 若い女性に声をかけて、高額な化粧品を買わせたり、「モデルになりませんか」と言って高額なタレントスクール(「芸能人の○○さんもここ出身」とか大ウソを言う)に…

ブログは難しい

6月19日の日記が異常に注目されたので、すかさず補論とともに『TONE』第2号を紹介したが(一見こじつけのようだが、書いた通り、実際「日本人は戦前も戦後も隣にいる『みんな』に合わせてるだけだ」という見解は、実際この一連の特集記事の中で考えたこと…

怪獣使いの証言

ちなみに、上記の朝鮮人虐殺のエピソードを元に作られたのが、『帰ってきたウルトラマン』で上原正三脚本の代表作「怪獣使いと少年」だ。 (まさにこの話から書名を取った切通理作『怪獣使いと少年』には大いに触発された)。 『TONE』誌のインタビューでは…

もし「みんな」が殺人を合法としたら?

だから、逆に言えば「みんな」がそれを悪だと思ってなければ、どう考えても一方的ないじめか集団虐殺のような行為が、平然とまかり通ることだって、たまにある。 南京の大虐殺とやらは中共の死者数水増しゆえに虚報説が強いが、じゃあ、関東大震災下で朝鮮人…

余談傍証

話が横道に逸れるが「みんなに迷惑をかけない」問題と関連して、ずっと以前から心の片隅に引っかかっている証言がある。 数年前、少年院の教官をしていた年長の知人に聞いた話では、近年の不良(ヤンキー系ではなくチーマー系だろう)は、傷害事件など起こし…

個々には善人なのが、揃うと凶行になるから頭を抱える

戦争でもJR西日本でも「ノリの強要」で迫ってくるマルチ商法でも「俺がそれに従って欲しい」と言わず「みんなそれに従っているんだから、きみも従いたまえ」という言い方がムカつく。それが「下からのファシズム」を生み出すと書いてきた。 が、ひとつ補足…

戦争を語れば日本人論になり、日本人を語れば戦争論になる

――と、以上のようなことばかり、この一ヶ月ばかり、畏友ばくはつ五郎氏(id:bakuhatugoro)と語り合っていた。というか、畏友五郎氏の仕事上の話を聞いてたら、自然、そんな話ばかりになった。 彼がやってたのは何かというと、笠原和夫脚本『大日本帝国』『…

わたしはこれが戦争当時のみの、遠い昔の話と思わぬ。

極悪レイプサークルだった、スーパーフリーの手口というのは、コンパに誘った女子学生に、座が盛り上がった状態でしこたま酒を飲ませ、泥酔させて行為に及ぶというものだったそうだが、これは「せっかく『みんな』盛り上がってるのに座をシラケさせるなんて…

「みんな」の実体って何ぞや?

つい先日、高井守氏の『永久保存版』からの引用で「日本人には『みんなに迷惑をかけない』を超える倫理的基準がない」という論を提示したら、やけに注目されてるらしい。 よしわかった、いい機会だ。なんで「俺が」それがマズいと思うかの説を書く。 端的に…

うわ、この更新頻度じゃ日刊ブログじゃん。(プラスこの際こじつけ予

Book Baton

id:bakuhatugoro氏からご指名につき、真似てやってみる。1)Book reading right now (今読んでいる本) ・長山靖生『日露戦争 もうひとつの「物語」』(新潮新書) と、書きたいところだが……未着手、今日読んでたのは ・司馬遼太郎『坂の上の雲』(文春文庫…

モラルハザードの構造想像図

以下はまた勝手な想像である。だが、それなり現実性は高い想像だと思っている。 W社(仮名)の社長ほか経営陣は、次の幹部候補であるところの部長だか課長だかの中間管理職から、かくかくしかじかで年商が70億円台になった、と報告を受けた。 いかにして年…

朝日の下っ端はヤクザ?俺は昔から知ってるけど…

しつこいようだが、戦前までの日本軍の体質の悪癖の一側面(旧日本軍には現代日本にはない強い使命感、責任感、団結心もあった!)は現代の企業社会にも生きている、という説を繰り返す。 (――というか、近日公開予定のとある仕事では、ずっと内心これを意識…

「指導者は無知な方が良い」って本当か?

司馬遼太郎『坂の上の雲』を読むと、二百三高地の攻略に関して、単純な歩兵突撃を繰り返させた伊地知参謀長に黙って従うだけだった乃木大将への人物評価は厳しいが、総司令官の大山巌についてはそう批判的には書かれていない。 大山は、薩摩人の指導者の典型…

日本人は何ひとつ変わっちゃいねえ。バカ。

以上が日本人が野蛮人だった遠い昔の話だなどとは思わない。 JR西日本が福知山線脱線の大事故を起こした後、とってつけたように企業体質の批判が噴出したが、随分叩かれた日勤教育だの、以前から内部では不満があったはずだ。 んが、明確な上位下達の社内…

史料バカには「人間的想像力」という薬をつけろ

社会ニュース - 6月20日(月)2時51分 吉田満著書 乗組員救助の記述 戦艦大和の最期 残虐さ独り歩き 戦前戦中の旧日本軍の行為をめぐっては、残虐性を強調するような信憑(しんぴょう)性のない話が史実として独り歩きするケースも少なくない。沖縄戦の際には…

久々に膝を打つ

永久保存版より 家族に「迷惑をかけた」といって自殺した高齢者と、「みんなに迷惑をかけた」ことで三人のボランティアを罵倒した人に共通するのは、「人様に迷惑をかけるような人になるんじゃないよ」と常に心優しき日本の母に叱咤されながら育ったことであ…

別に創作者ばかりが偉いわけでもないが

ここのところ、上記の件も含め、また「仕事のための読書」ばっかりしてる。 半分は書評仕事だから、重複する内容はここでは書かない。 俄然面白かったのは、人物理解の参考に読んだ、富野喜幸『だから僕は…』(徳間書店/絶版)と、上原正三『金城哲夫 ウル…

と言っても、才能と創作意欲だけでも生きられない

ってゆーか、滅多に書かない仕事の予告ネタバラシを書くと、実は今、ずばり「オタク、引きこもり、ダメ人間タイプが、いかにそーいう人間でもやってける仕事にありついて生きてゆくか」とゆーことを考える本の執筆に携わっている。 そーいう人間にとって一番…

N君への手紙

『創』最新号に中森明夫「K君への手紙」というエッセイが載った。 「監禁首輪王子」小林泰剛への手紙という形式なわけだが、中森氏「自分も少女に首輪つけて連れ歩いた。でも僕は犯罪者にならなかった」と書いてる。ネタを明かせば、そういうシチュのロリS…