電氣アジール日録

自称売文プロ(レタリアート)葦原骸吉(佐藤賢二)のブログ。過去の仕事の一部は「B級保存版」に再録。

2006-12-01から1日間の記事一覧

では、理念を形骸でなくする方法とは

このブログでは過去何度も書いたが、今や右も左も形骸化しているといえる理由は、みな口では自分と敵対する側を非難口撃しても、じゃあ国家のため、あるいは革命のため、我が身を張る気概があるかというと、まったく感じられないからである。 右でも左でも理…

余談

本書で食い足りない点をあえて言えば、昭和十年代の満洲開発と戦時体制をリードした岸信介らの「革新」官僚とそれを支持した軍の青年将校たちは、思想的には「右」だが、経済政策的にはまさに国民平等の社会主義「左」そのものだった点に触れて欲しかったか…

すでに拠るべき祖国も属すべき階級もなく…

幻冬舎新書『右翼と左翼』浅羽通明(isbn:434498000X)読了。 いつの間にそんなん出とったんか? という感じだったが、狙いどころは上手い。 2年前刊行のちくま新書『アナーキスム』(isbn:4480061746)、『ナショナリズム』(isbn:4480061738)と同様、学…

安倍君に提案「クラス換え法案」どうよ?

さて、昨今再熱のいじめ問題を解く鍵もこの辺にある。 小中学校でのいじめ問題というのも「みんな」の空気の問題が大きく関わっている。 今やジャイアンのようなわかりやすい暴力的な「いじめっ子」など通俗的なマンガの中にしか存在しない。いじめる側とい…

もし「暴行殺人OK」が「みんな」の空気だったら

約1年半前日本人には「みんなに迷惑をかけない」以上の倫理観がないという問題を取り上げたら、意味不明の異常な注目を浴びたが、その一方で「『みんなに迷惑をかけない』で結構じゃないか、何が悪いの?」という疑問を持たれたようだった。 今ごろになって…

独裁にも器という必然

で、翻って日本はどうか。 日本にも、明治維新以降、その気になればソモサ一族やデュバリエ一族のような血縁による寡頭支配を実現できたかも知れない実力者は何人かいる。 が、長州のボスだった山縣有朋でも、薩摩のボスだった大久保利通でも、その他の実力…

義理と人情と独裁政治

今回は、80年代米ソ冷戦時代の中南米ゲリラ紛争や旧ソ連末期に噴出した民族問題の本とかを大量に読み漁ったわけだが、それで改めて痛感したことは多い。 その裏を返して思うのは、つくづく日本はたまたま運の良い近代化を遂げられたということなのだろうか、…

BGMにはPANTAの『R★E★D』推奨☆

PHP文庫『図解 世界の紛争地図の読み方』中村恭一監修(isbn:4569667198)発売。同じくPHP文庫の『世界の神々』シリーズでは非西洋地域ばっか担当してますが、今回わたしはAREA.3ヨーロッパ(旧ソ連地域含)とAREA.5南北アメリカを担当。 この手の本、先行類書…