電氣アジール日録

自称売文プロ(レタリアート)葦原骸吉(佐藤賢二)のブログ。過去の仕事の一部は「B級保存版」に再録。

2006-09-01から1ヶ月間の記事一覧

萌えも薄幸も吹き飛ばす乾いたニヒリズム

近年、アフリカ、アジア、中東などの紛争地域でのチャイルド・ソルジャー、いわゆる子ども兵士が深刻な問題として注目を集めている。 いうまでなく、現実のそれらはただただ悲惨なだけである。んが、日本の萌え産業は、それさえ萌え商品にする勢いで、薄幸な…

昭和30年代特撮戦争遺跡めぐりの旅

東京MXTVでは『怪奇大作戦』のあと『ウルトラセブン』の再放送をやっているが、キリヤマ隊長役の中山昭二、地球防衛軍組織の幹部役の平田昭彦、藤田進などは、昨年仕事でさんざん観た戦後日本戦争映画の常連出演者でもあった。 というか『ゴジラ』以来、東宝…

一部アーカイブはじめました

ところで、全然関係ありませんが、以前から、このブログと別個に「B級保存版」という個人サイトを持ってましたが、日々の雑文ならこのブログに書いてしまうようになったため、そっちは使い道がないのでずっと放置してました。 で、この度、そこに、初出から…

もっとも醜い人々のもっとも美しい友情

――と、そんなことを考えていた矢先、小林信彦の『おかしな男 渥美清』(asin:4101158398)を読んだという畏友ばくはつ五郎氏(id:bakuhatugoro)が、渥美清の『続・拝啓天皇陛下様』は、無法松みたいな話で、これも面白いらしい、と言って来た。 『拝啓天皇…

消えた非モテ・マイノリティ男の自己犠牲ダンディズム

今年になって、東京MXTVでは、『怪奇大作戦』の深夜再放送なんてイキなことをしてくれたが、さらに、懐かしの堺正章・夏目雅子版『西遊記』『西遊記II』(1979〜80年 日本テレビ系)なんてものを再放送してくれてた。 さてこの『西遊記』、この見返してみる…

中南米、旧ソ連、宇宙世紀

仕事にかこつけた読書の一環でガルシア・マルケス編著『戒厳令下チリ潜入記』(岩波新書)を読む。数年前、洋泉社ムックの『この新書がすごい』で、普段ゲテモノ映画評ばかり書いてる柳下毅一郎(ガース柳下)が珍しく真剣に推してたんで印象に残ってた一冊…

俺の父はアメリカか?日本か?

少し前、ソフトバンクがヤフーBBTVの配信番組のガイドとして出してる会員制の雑誌『paperview』で、富野由悠季作品を初めとするアニメ特集の記事を少々書きました。 で、これを契機にやっとアニメ『リーンの翼』を鑑賞。 のっけから『ブレンパワード』以降の…

非対称なる東西、非対称なる善悪

と、いうわけで、好評既刊『「世界の神々」がよくわかる本』(asin:4569665519)の姉妹編、今度は『「天使」と「悪魔」がよくわかる本』(asin:456966685X)が出ました。 今回は大まかには ・西方世界の天使:ユダヤ・キリスト教の天使 ・東方世界の天使:仏…