電氣アジール日録

自称売文プロ(レタリアート)葦原骸吉(佐藤賢二)のブログ。過去の仕事の一部は「B級保存版」に再録。

人に歴史あり

『人間関係がニガテでもうまくいく天職ガイド』(廣済堂)(isbn:4331511170)が、発売後一週間そこいらでGoogle検索350件もヒットしやがる。出足だけ言えば『架空世界の悪党図鑑』(講談社)より注目度高くない?(一応、実用書だからね)
しかし反面「なんだ書名倒れの羊頭狗肉じゃねーか」という反響がこないかとワクワクもといビクビクもしている。引きこもりでもオタクでもできる仕事、として広義の芸術家、クリエイターという仕事を取り上げるに当たり、虫の良いきれいごとを書いたつもりはない。が、結局は、うまくそーいう仕事に潜り込めるかってのは、ケースバイケース、時の運と人の縁次第、としか言いようないんだよなあ……
ちなみに、本書中「新聞販売店員」「マンションの専属清掃員」「校正係」「外国製ソフトウェアのローカライズ」「Web広告バナー作製」などはわたしの実体験で書いてる。このうち最後の二つはクリエイターっぽい仕事だが、友人からのコネ就職である。ただし、Web製作会社勤務の前歴アリだから振られた仕事だ。
では、コネってどうやって作るの? というと、だからこれがケースバイケースとしか言いようない、そういうジャンルの趣味の会、イベント、お勉強会に顔を出し、講師と親しくなる、などだが、わたしの通ったマスコミ系専門学校も、黙って座って講義を聴いててもそれだけでは何の意味もないが、仲間や業界入り口を得るのには少しは役に立ったさ。
関係ねえが、『週刊新潮』のTEMPO欄の紀田伊輔の書評コラムは毎度面白い。書評対象にかこつけつつ、時おり混じる70年前後生まれ世代として、勤め人ならざるフリー出版業界人としての、軽い自嘲と自戒が結構他人事と思えぬ。その内俺の関わった本も取り上げてくんないかなあ……