電氣アジール日録

自称売文プロ(レタリアート)葦原骸吉(佐藤賢二)のブログ。過去の仕事の一部は「B級保存版」に再録。

2010-01-01から1年間の記事一覧

懐古と展望

一個人的なことを述べると、本年で不惑になる。高校卒業の三日後に新聞配達の店で働き出して20余念、マクドナルドの店員から、清掃員、ソフトウェア翻訳の会社やWEB製作の会社に務めたり、印刷所の校正係やらの職に就きましたが、本年をもって、売文だけ…

葦原骸吉の2010年の収穫

以下は恒例の私的年間ベストテン。 1.チリ鉱山事故 北から南までロクでもない事件ばかり起きた本年であるが、ただのやじ馬としては、8月下旬に33人の生存が確認されて以降目が離せなかった最大のイベント。 救出を待つ間、鉱夫たちが「自分たちはチリ国民で…

本年の反省

本年は、書籍原稿のほか、表に出ない仕事(ほかの執筆者の原稿の加筆修正、企画会社の内部で使われる資料用原稿など)も全部含めると、原稿料収入だけで生活するようになって以来、もっとも大量に仕事した(勤め人をしていた当時の末期には職場のお荷物にな…

中森明夫と大杉栄

「つまりさ、大杉栄ってのは……叶えられなかった夢なんだ。大杉の革命は、決してこの世では実現しなかった。だからこそ美しく見えるし、いつだって、そう、よみがえってくる。幽霊としてね」 そういうわけで、やっと今頃になって中森明夫『アナーキー・イン・…

落合琢は悪の魔王か?

くり返すが、上記に挙げた「落合琢」氏のサイトが、本当に旧「リバティコープ」副社長の落合琢によるものかは判然としない。それらの内容は、本当に「普通の人のブログ」で、どこに出かけて何を買ったとか食べたとかそんな話しか書いていない。 だが、わたし…

葦原骸吉の危機?

今回はきわめて極私的な話で、ほとんどの人間にはまったくどうでもよいことだが、一個人的な事実現象の証言として記す。 じつは、1か月ぐらい前から、過去にわたしが何度も何度も何度も何度もしつこく引用したネットワークビジネス団体「リバティコープ」に…

落合琢とわたし

※結論から言うと、この日のエントリを書いた後11月15日頃に至って、一切表示されなくなっていたaxcx.comの検索結果表示が、いきなり復活していた。いったい何だったのか。

戦争と日常

今頃になってやっと若松孝二『キャタピラー』を見に行く。 前作の『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』の次にこれを撮りたくなったのは凄くよくわかる気がした。 かつて、吉本隆明は連合赤軍について「日常性に復讐された」と述べたそうである。 連合赤軍…

秋の生存報告

夏の間完全にブログを放置してたら深夜に友人から「パソコン壊れたか? それとも死んだか?」と電話が掛かってきた。 単にまた仕事が激烈に忙しかっただけである……と書くと、よほど一生懸命働いてたようだが、自分が無能なので調査や執筆に無駄に時間が掛か…

血の臭いがしない戦争論議

最近、次の仕事のため図書館や書店で国防・軍事関連の棚を物色する機会が多かった。 で、今さらながら、飛鳥新社の『マンガ入門シリーズ 日本核武装入門』、『マンガ入門シリーズ くたばれ平和主義!』(田母神俊雄・前空軍大将が絶賛だそうだ)といった本が…

正解のない現実/犠牲で成り立つ平和

『週刊文春』の最新5月20日号の特集「鳩山総理を追放せよ」の中で、内田樹が普天間基地問題について、ミもフタもなく「嫌な良いこと」を述べている。 鳩山首相が明確なビジョンを示さず、ダッチロールしていることをメディアはきびしく咎めているが、それは…

人間は不自由にもそれなりに順応する

実際問題、仮に、一部の人間がずっと権力を独占して階層が固定化しているが、とりあえず普通に日常生活は送れて、よほど耐え難い貧困や不当な弾圧や戦争もないという政治体制だったら、ほとんどの人間はそれに順応してしまうのではないか? 案外、江戸時代の…

現代劇は神話に回帰するのか

PHPの「神々」シリーズはいまだわりと好評らしい。それで相変わらず神話伝承の本の仕事をしていると、漠然と思うことがある。 しばし前「コードギアス反逆のルルーシュ」本『クリティカル・ゼロ』で一緒に仕事した成馬零一氏(id:narima01)が「人間芝居とキ…

生存報告

年頭うっかりブログを放置していたら二ヵ月ほど間が開いてしまった。また仕事が詰まってたからで、最近刊行されたもので執筆参加したものを述べておくと以下の通り。 ・『世界の神々の意外な結末』(isbn:4569777627) また神話の本。当方は、エジプト神話、…