電氣アジール日録

自称売文プロ(レタリアート)葦原骸吉(佐藤賢二)のブログ。過去の仕事の一部は「B級保存版」に再録。

2009-06-01から1ヶ月間の記事一覧

日本の表現の自由論議はヌルいのか?

と、泰西の話を書いても、まあ日本人にはぴんと来づらい。 ところで、前回、陵辱ゲーム(レイプ物エロゲー)規制論について書いた。 この件についての佐藤亜紀女史の主張はおおむね「世の中、表現が規制されることはある。そのうえで、本気でやりたい恨性の…

偉人伝ではなく異人伝の哲学史

大和書房『萌える☆哲学入門』(isbn:4479391940)刊行。 今回、当方は「第4章 現代の哲学」の章を担当。 具体的には、科学哲学(ポパー)、現象学(フッサール、メルロ=ポンティ)、実存哲学(ハイデガー)、記号論(ソシュール)、構造主義(レヴィ=スト…

言論の自由と恥の意識再論

例によって出遅れた話だが(←本業が忙しいせいにしておく)、先月、女性をレイプするエロゲーが海外で規制された件について佐藤亜紀がブログで書いたら、案の定「表現の自由」至上主義者から袋叩きに遭ったらしい。 この手のメディア規制論議については当方…

ホモソーシャルは本当に悪か?

まあ、今や躍起になってホモソーシャル批判を言い立ててるのは、女性のフェミニストより、むしろ「僕はああいう汗臭いマッチョDQNと違うんです」って顔をすりゃ女性受けがよいと思ってる男性インテリだけじゃないのぉ? と感じる。 それを言えば『咲-Saki-』…

文系男子より趣味が男らしいかも知れない腐女子

先日、中島梓(栗本薫)の訃報が流れたのち『週刊文春』に竹宮恵子による追悼文が載っていた。論点は無論「BL・腐女子(この言葉が普及してから、やおいって言葉は衰退しつつあるな…)の元祖」世代としての栗本薫の業績だ。 竹宮いわく『私たちは戦後の男女…

関係概念としての人間

とまあ、本日は脈絡もなく書き連ねてしまったが、無理やりオチのようにまとめてみる。 人間を定義するものとしては―― 「裏とか表とか何を知っているか」より「どういう社会的ポジションにいるか」 「どんな趣味ジャンルトライブか」より「他のトライブにどう…

男女不平等

しばし前『SAPIO』が「「女尊男卑」行き過ぎていませんか?」という特集をやっていた。 まあ確かに、痴漢冤罪の横行だの女性専用車両の一方的導入はわたしもムカつく、男だけは隣の人(が女性の場合)に偶然に手が当たっても痴漢扱いなのは男性差別だろ、と…

健全なネットワークビジネス

しばし前、民主党の議員が「健全なネットワークビジネスを育てる議員連盟」とかいう珍妙な議連を作っていた。 「健全なネットワークビジネス」とは「人を殺さない原爆」ぐらいの矛盾かと思う。しかしである、五百歩譲ってそんなものありえるなら、二つの条件…

中二病(厨二病)

「中二病だと思うものを列挙するスレ」というのを見かけた。 オタクっぽい漫画やアニメや不良っぽいJ-POPミュージシャンやら、ありとあらゆる物が中二病扱いされていたが、じゃあ逆に「厨二病(中二病)じゃないもの」は何かという話になり、洋楽だの、高級…

よく「○○の裏を知りつくしている」とエラそうに言いたがる奴がいるが、そーいう奴は大抵じつは「裏しか知らない」。 ネット世論では、マスコミだの政界だの芸能界だの何だのについての「裏事情」「裏情報」とやらが溢れ返っているが、そうした「裏」だけ知っ…