電氣アジール日録

自称売文プロ(レタリアート)葦原骸吉(佐藤賢二)のブログ。過去の仕事の一部は「B級保存版」に再録。

中二病(厨二病)

中二病だと思うものを列挙するスレ」というのを見かけた。
オタクっぽい漫画やアニメや不良っぽいJ-POPミュージシャンやら、ありとあらゆる物が中二病扱いされていたが、じゃあ逆に「厨二病中二病)じゃないもの」は何かという話になり、洋楽だの、高級車だの、あるいは普通のサラリーマンだのを挙げる者もいたが、そういう発想自体が厨ニ病だとツッコミが入っている。この世はすべて厨ニ病かよ!?
中二病厨二病)でないもの」がありえるなら、それはオタク文化とか不良文化とかスイーツ文化とかいう、ジャンルの問題ではないだろう。
たとえば「いい年して漫画やアニメやゲームや特撮といったオタクジャンルが好き」ということ自体が恥ずかしいのではない、それを躍起に権威づけようとして「ジャパニメーションは世界に日本が誇る文化で〜」とか言って、経済効果の数字の話をひけらかしたり、東浩紀の難しいエロゲー批評を口真似したりするスノッブな態度が厨二病的なのだ。
逆に「大人の趣味」とされるもの(よくわからんが、高級車とか高級ブランド品とか高級ワインとかグルメとかリゾートとか?)も、それを「これが大人の趣味なんだよ、それがわからない奴は〜」などと一方的に偉そうにひけらせば、単なるスノッブに堕す。
つまり、ジャンルが何であれ、それをもって一方的に「俺はカッコいい」と思って粋がったり、それで世の中をすべてわかった気になってエラそうな顔をするスノッブな態度、それが、中二病厨二病)ということではないのか?
だとすれば、「中二病厨二病)でないもの」がありえるなら、それは文化のジャンルを問わず「謙虚で柔軟な態度」だろう。人はそれを節度という。
(↑と、この見解に「こういうのが中二病的」とツッコミ入れる人がまたいるのかも知れないが…)