電氣アジール日録

自称売文プロ(レタリアート)葦原骸吉(佐藤賢二)のブログ。過去の仕事の一部は「B級保存版」に再録。

2005-05-01から1ヶ月間の記事一覧

生き字引「編集家」の証言

竹熊健太郎『ゴルゴ13はいつ終わるのか?』(イーストプレス) 表題になった、最終回予測で盛り上がれる超長期連載マンガ『ゴルゴ13』『ガラスの仮面』『美味しんぼ』が、初出原稿の書かれた13年前から、いずれもいまだ続いているというのが凄い。 1960年前…

不在の中心としての父の背中

小原慎司『二十面相の娘』(メディアファクトリー) 昨年後半になってやっとこの作品の存在を知り、以前アフタヌーンで連載してた『菫画報』が結構好きだったので(ギリギリおたくになりきっていない、地方の文化部という雰囲気が、なんとも懐かしい感じのす…

庶民兵卒代表vs高学歴士官代表

ばくはつ五郎氏と、今、雑誌で戦争特集をやるならどういう角度が必要かという話になる。 古山高麗雄&吉田満の対談は、陸軍落ちこぼれ一等兵と海軍エリート青年士官のそれぞれの立場からの相互補完的な照射として意義深い、という話になり、現代、団塊世代の…

疲れた

仕事の準備の下調べのため、先日全話見通した『Zガンダム』を、また再度早送りで全話見通す。せっかくの休みが丸一日潰れた。それ何の仕事だよ? ……と言われそうだが、いずれ生きる筈。まあ待っててくれ。

出がらし待ち

日中の気温はすっかり初夏のものとなり、風が気持ち良いので窓を全開にしてたら、もう花粉の季節は終わりだというのに、鼻水が止まらなくなった。天気予報によれば、あと数日の辛抱らしいが。

戦争はたた悲劇的なだけでも英雄的なだけでもない

どうも、戦後育ちでメディア経由でしか戦争を知らない我々が頭で戦争を考えようとすると、極端に、悲劇的だったり、英雄的だったり一辺倒というイメージになってしまうような気がする。 現実には、戦争つったって、24時間365日敵と撃ち合ってるわけではない…

ものわかりが良すぎる日本軍人たち

映画の『ローレライ』にしても、小説の『終戦のローレライ』にしても、自分と世代の近いクリエイターの作品としては好意的に評価したくあり、これが力作なのは認めるが、どうしても、突っ込みたくなる箇所は少なくない。 ただしそれは、自分が同じような話を…

神なき世代の神殺し文学

で、先月後半仕事の合間をかけてやっと読破した、小説版『終戦のローレレイ』について。 すでに同じ事を言ってる人もいるようだが、この書の、最大のポイントは、実はひょっとしたら「『日本民族』への愛国心のため天皇を殺すことを考えた男」を描いたことで…

どうせなら『大海獣パウラ』となる映画をやって欲しかった

で、(2)の点について言うと、なるほど、樋口の出世作である平成『ガメラ』シリーズ、特にパート3の『イリス覚醒』も、一部では評価が高いが、下手に少女の話なんぞにしたせいで、いまいち話が中途半端な感は拭えない。 しかしだ、改めてふと思った。樋口は…

坊主頭の奴がほとんどいない旧日本軍潜水艦

と、いうわけで、延長上映も終了間際になってやっと、映画『ローレライ』を観てきた。 公開が始まってから相当経つのに、今更この作品に深い興味を覚えたのは、畏友中川大地が教えてくれたGAINAX関係者インタビューが凄く面白かったのだが、その樋口真嗣の回…