電氣アジール日録

自称売文プロ(レタリアート)葦原骸吉(佐藤賢二)のブログ。過去の仕事の一部は「B級保存版」に再録。

男女不平等

しばし前『SAPIO』が「「女尊男卑」行き過ぎていませんか?」という特集をやっていた。
まあ確かに、痴漢冤罪の横行だの女性専用車両の一方的導入はわたしもムカつく、男だけは隣の人(が女性の場合)に偶然に手が当たっても痴漢扱いなのは男性差別だろ、と思う。
しかしだ、フェミニストなど「プロ弱者」の権利意識濫用に、「こっちこそ弱者だ!」と同じく権利意識濫用で対抗するのは、みずから相手と同レベルに堕ちる愚ではないか?
左右をひっくり返して言えば、平和憲法遵守・自衛隊海外派遣反対のはずのピースボートが、ソマリア沖では自衛隊に護ってもらうことを希望したのと似たようなみっともなさだ。
じゃあ、どういう解決ならいいんだよ? と言われると答えに困るが、これは理屈ではない。以前も述べたが、女がレイプされればただ悲惨だが、男がホモレイプされれば、悲惨でもあるけれど、どこか笑い話になってしまう(された側にはたまったものではないが)。
男二人組のアウトローを描いた『明日に向かって撃て!』は破滅に終わってもどこか前向きに笑えるが、これが女二人組の『テルマ&ルイーズ』は、ほぼ同じ話のはずなのに、悲しい話になってしまう。
しかしこれは理屈ではない。あえて言えば、生き方のありようとでもいうべきか…。
しかしそもそも、理性で「平等という(自然や伝統に反する)理屈」を唱える左翼に対し、「(男と女は違うといった)理屈でないもの」を救出する側が保守なのではなかったか?