電氣アジール日録

自称売文プロ(レタリアート)葦原骸吉(佐藤賢二)のブログ。過去の仕事の一部は「B級保存版」に再録。

珍しくヒットを打ったらしい(俺一人の手柄でないが)

PHP文庫『「世界の神々」がよくわかる本』東ゆみこ監修(isbn:4569665519)が増刷7版決まったという、素晴らしい。
わたしは同書では、クトゥルー神話とエジプト神話が担当だったわけだが、先日放送が終わった『魔法戦隊マジレンジャー』では、最後のほうで敵の怪人に『「世界の神々」がよくわかる本』にも載ってたオーディーンだのスレイプニルだのが出てきて、わたしが執筆を担当した、クトゥルー神話の海魔ダゴンも出てたので、偶然ながら、ちょっと感慨深かった。
そういや、これも偶然のタイミングだが、深夜アニメの『Fate stay night』にも、『「世界の神々」がよくわかる本』で名前の挙がった、ケルト神話メソポタミア神話のキャラクターが幾つか出てたな。
クトゥルーといえば、しばし前、少年チャンピオンの『番長連合』にも、クトゥルーの彫り物入れてる不良が登場したが、これは不覚にも笑った。
チャンピオンといえばアクメツが終わりそう。これ、かつての70年代末〜80年代初頭のジャンプの『ドーベルマン刑事』とか辺りにあったような、ストレートな社会悪糾弾ピカレスクぶりが爽快だったものの、末期に至ってなんとなくその限界も気づいてしまった。この作品、現代日本の官僚機構の腐敗をうまく戯画化して悪徳政治家や悪徳官僚を次々ぶっ殺す話を続けてて、「一人一殺」が基本だし、テロ敢行時には自分も死ぬというのがデスノートとは対照的に潔くて好きだったのだが、土着利権や人脈がらみによる政界、官界の腐敗は指摘できても、では、なぜそのような癒着、腐敗が起きるのか、日本の土着世間と大衆心理の構造にまで踏み込めてない。だもんだから、小泉純一郎に似た自由化・合理化路線の総理のことは批判できてない。もっとも、こういう社会悪糾弾ピカレスク作品は、主人公が愚民論を言い出すともっといやな話になるのも事実なんだが……