電氣アジール日録

自称売文プロ(レタリアート)葦原骸吉(佐藤賢二)のブログ。過去の仕事の一部は「B級保存版」に再録。

2020年の妄想

惑星開発委員会の『PLANETS vol.9』が刊行(isbn:4905325064)。
特集は「東京2020 オルタナティブ・オリンピック・プロジェクト」。
何の自慢にもならないけれど、スポーツにうとい自分は、深夜までテレビのオリンピックの試合中継にかじりついて過ごしたという経験が一度もない。
が、今回の『PLANETS』はまさに、そういうスポーツ自体には興味ない人も視野に入れたオリンピック論――つまりは五輪を題材にした文化論、都市論、サブカル論という趣向。
今回、当方はAパートの「サイボーグオリンピックと新しい人間観」、Bパートの「東京はなぜ解体されるべきか」の記事構成などを手伝ったほか(元の座談会が合わせて5時間以上もあるので相当な労力でしたよ)、Dパートで「東京セキュリティホール 象徴破壊編」と「東京セキュリティホール 経済・金融編」の部分を担当してます。
象徴破壊編で「なぜ今の日本で東京タワーやスカイツリーを破壊しても心理的効果は薄いのか?」という論点は、編集会議のとき『東京スカイツリー論』(isbn:4334036864)の著者からも凄く納得されました。
経済・金融編では、史実上まだ経済を狙って成功したテロはないので、フィクション世界での例として『愛の戦士レインボーマン』の劇中、悪の組織死ね死ね団が大量の偽札を流通させて人工的にハイパーインフレを起こしたM作戦に言及――って完全に趣味に走った原稿だが、今回の『PLANETS vol.9』は別のパートでショッカーの五輪襲撃を仮面ライダーが撃退とか、五輪便乗イベントで新宿や九段下にバルタン星人やゴモラが出現とかいう記事を大真面目にやってるぐらいですから♪
(誌面サンプルはこちら:http://wakusei2nd.com/P9
少々真面目な付記をしておくと、実際にWW2当時、ナチスドイツはイギリスに偽ポンドをばらまいて経済混乱をはかる「ベルンハルト作戦」(映画『ヒトラーの贋札』でも扱われた)を行ったが、戦時下というのは工業資材から食料まであらゆるる物資が軍隊に取られて物不足が進むので、放っといても急激にインフレが進行するそうな。だったら敵国に偽札をばらまく意味もあまりないような……。