電氣アジール日録

自称売文プロ(レタリアート)葦原骸吉(佐藤賢二)のブログ。過去の仕事の一部は「B級保存版」に再録。

羹に懲りて膾を吹きずぎたツケ

結局、自衛隊イラク派遣はアメリカ一国の政治的利権のためじゃないのか、という議論が保守陣営の内部でさえウヤムヤのまま、同盟国の要請という形で、自衛隊の事実上の実戦軍隊化はなし崩しに進行している。
が、自衛隊が真に、国民を守るため危険を甘んじて汗水流してる人たちとして敬愛される存在になってきてるかといえば、そっちは全然そうなってるように思えない。
依然として、結局誰かがやらなければならない3K労働を甘んじて押し付けられながら、ドキュン扱いしかも平和の敵扱いでバカにされている、というのが自衛隊の地位ではないのか。
自衛隊発足時には、旧日本軍の暴走に頭を痛めさせられた内務省文民官僚たちが、徹底的に、かつてのように軍が暴走し政治に容喙できないよう細心の注意を払ったというが、それから50年を経てなお、自衛隊を腫れ物に触るようにウヤムヤのまま蚊帳の外に置き、危険手当とかの金は出しても名誉は与えず日陰者扱いを変えないようでは、それこそ不満が溜まってクーデターのひとつも起こす気になったとしてもおかしくはないかも知れない。
――やっぱ、三島由紀夫も森田必勝も墓の下で忸怩たる思いだろう。