電氣アジール日録

自称売文プロ(レタリアート)葦原骸吉(佐藤賢二)のブログ。過去の仕事の一部は「B級保存版」に再録。

プロvsシロウト

プロvsシロウト
ここ数日、相変わらず、だらだらネットを眺めて「悪徳商法?マニアックス」と、ウ社(仮名)のことを興味本位に追っている。
http://d.hatena.ne.jp/koseki/20040201
http://slashdot.jp/article.pl?sid=04/02/02/095240
http://mw.air-nifty.com/mine_log/2004/02/post_1.html
http://5thstar.air-nifty.com/blog/2004/02/_25_.html
http://crusader.cocolog-nifty.com/crusaders_room/2004/02/__1.html
http://satoshis.cocolog-nifty.com/gaikan/2004/01/post_24.html
http://ngp-mac.com/kumarin/index.cgi?3444
http://smart.way-nifty.com/blog/2004/02/post_1.html
http://altba.com/bakera/hatomaru.aspx/ebi/topic/1094
この事件が面白いのは、対立図式の一方は明確な目的を持った企業であるのに対し、一方は、相互に無関係な草の根の意志の連携であるという、非対称性にある。
年商70億円以上をあげるという企業が、わざわざ大金をかけて作らせた自作自演の自社礼賛サイトより、それを批判する何の変哲もない普通の市井の個々人のサイトの方が注目される、というのは単純に皮肉で小気味良い。ザマーミロ
企業社会に身を置いてる人間にとっては、利益というのが行動原理の中核にあるもので、金にもならない個々人の気まぐれや好みによる行動というのは、まったくのイレギュラーな問題なのだろう。
しかしだ、こうやって第三者として見ている分には面白がって企業サイトより個々人のサイトを心情的に応援してもいるが、自分がそれを敵に回す側になったらかなわんだろうな、とは思う。
実は、わたしも以前、業務委託で出向してた会社で、似たようなことをやってたかも知れなかったのだ。つまり、自社の業務内容を宣伝するため、あちこちに誘導用ダミーサイトを作ってはどうかという案が持ち上がってたのである。
その時は、そんなもん作っても有効に機能させるにはどうしたら良いか智恵も技術もなかったんでやらなかったが、もしやってたら、まあ本質的には、件の京都の宝石販売悪徳商法の会社と同じことだったかも知れない。
とりあえず、こういうやり方を規制する法律はまだない筈だろう。そう考えると、法律的には例の京都の会社にも分があるかも知れない。
しかしだ、人の心情の裁きというやつは、現世的地上的な法律の裁きと一致しないこともある、ここが重要なのだ。
ロッキード事件判決後の田中角栄も、幼児ホモレイプ後のマイケル・ジャクソンも、保釈金払って世間的には罪科の清算はされたことになっても、世間の顰蹙は消えるどころかむしろ増した。
「死刑を廃止して鋸引きを復活させろ」という呉智英夫子に感化されてるわたしなんぞは、はなから法律も便宜的基準の一個に過ぎんと思ってるから、件の会社が仮に「悪徳商法マニアックス」他の告発サイトに訴訟で勝っても、世間の心情は味方しない、というケースもあり得るんじゃないかと思いたい。
とはいえ、日本もかなりアメリカ式の訴訟社会に近づいてきてるわけだし、あまり関心のない一般層に対しては、公的には「裁判で負けた側=悪者」となってしまうのだろうか?