電氣アジール日録

自称売文プロ(レタリアート)葦原骸吉(佐藤賢二)のブログ。過去の仕事の一部は「B級保存版」に再録。

善意の差別家の横顔実例を初めて見ました

結局、人質自作自演説は決定的証拠も出ないまま(反証の決定的証拠も無いが)、次々起こる他の事件に紛れてウヤムヤになりつつある(「完オチ」報道ってどうなったの?)。保守側と言われる人間の中でハッキリ自作自演説を否定した小林よしのりの『新ゴーマニズム宣言』は、遂に欄外でハッキリ2ちゃんねる批判を書いていた。ああもう、これで今度こそ「ネットウヨ」の間じゃ「よしりん=サヨ・反日・アカ」決定だな。笑いごっちゃない。多くの「ネットウヨ」がそもそも小林によって覚醒させられたはずなのに、事態はひっくり返ってしまったわけだ(が、それこそ2ちゃんねる的なものは、良くも悪くも方向性なんかない偶発の集合なんだから、2ちゃんねるを味方につける、2ちゃんねるのヒーロー、もまた成立し得ないだろう)。
先日、偶然だが、わたしより10歳ばかりも年下で、学歴も高く(理工系の大学院生だそうだ)、会話に出る固有名詞から、いかにもパソコンやネットに愛着深そうな若い人が、酒の席で「韓国は日本より前からADSLとネットゲームが普及してるんだってね」という、何の変哲も無い世間話から、ネットゲームに熱中しすぎて死んだ人もいるというバカ話になり、そこでニコニコと無邪気な顔をして「あいつらチョンだから」と言う場面を目にした。
彼は別に、普段からそんな四六時中嫌韓というわけでもなく、特に差別意識なんかまったくなく、むしろ、会話に出る固有名詞からわたしも同じノリを共有できる人間と一方的に思い込み、一種の、身内に向けたでまかせサービスのようにそんな言葉が口をついて出ただけのようだった。そういう人が増えてるんだろうなあ、とはメディアの向こうの二次情報で知ってても、現物を見るのは初めてだった――と、いまだこういうのがちょっと気になるわたしも、日教組戦後民主主義に呪縛された化石のような古いサヨで云々ってことになるんだろうな。
まっ、わたしも一切そんな内心は表に出さず、ヘラヘラ調子を合わせてただけだけど。