電氣アジール日録

自称売文プロ(レタリアート)葦原骸吉(佐藤賢二)のブログ。過去の仕事の一部は「B級保存版」に再録。

この悪を見よ=この人を見よ

また、当方執筆分以外での注目原稿も、ドサ健(『麻雀放浪記阿佐田哲也)、石川力夫(渡哲也『仁義の墓場』)、デスラー(『宇宙戦艦ヤマト』)、ドクター・キリコ(『ブラックジャック手塚治虫)、異次元人ヤプール(『ウルトラマンA』)、ベガ(『ストリートファイターII』)ほか多数……
なぜ『悪党図鑑』なのか? その詳細は「悪党とは懐かしい存在である〜」という筒井康隆氏の巻頭言、「『悪党図鑑』とは『人間図鑑』である〜」という「光クラブ」代表奈落一騎氏のあとがきに譲るとして、以下は当方の勝手な解説。
書いた人間の一人が言うのもなんですが、はっきり言って、ヘンな本です。あんまり言うべきことじゃないだろうけど、資料価値はそれほど高くないかも知れない。でも、この手のサブカル本で、文学、映画、まんが、アニメ、特撮、ゲームと、こんだけジャンル横断の本は多分前例ないと、この点は独自性を自負します! 山守義雄とジャイアンシャア・アズナブルとスタヴローギンとメトロン星人と大魔王クッパが同時に載ってる本など、多分ありえません(笑)
また、読んでも「こんな奴知らねえよ! 何それ?」というキャラもきっとあるかと思いますが、まあ例えば、海津龍一(『青き炎』柳沢きみお)、高岡隆一(『特救指令ソルブレイン』)、ラブラブ党(ゲーム『キャプテン・ラブ』)などは、知ってる人は「よくぞこれを!」と思ってくれると信じたい。3/16の日記でも触れたけど、わたし自身、昔、いろんな怪人図鑑や映画百科の類を読んで、そこに紹介されてる様々な未知のキャラクターについて「こいつどんな奴だろう?」「こいつの話、凄く観たい」と思いつつも、当時はビデオや復刻本も入手不可で、知ってても観ることのできない「幻のキャラクター」が多くて想像力を刺激させられたが、今はかなりそれも観ることもできる――ただ代わりに、なまじ簡単に観られるゆえに、コイツはこういうふうに凄いんだ、というような「見方の想像力」が減ってるかも知れない、そこでこの本がヒントになれば幸い、と、まあそんな次第。
また逆に「なんであれが載ってなくてこれが載ってる?」ってのもあるかも知れません。とりあえず、アウトロー系主人公(『俺たちに明日はない』のボニー&クライドとか、『明日に向かって撃て』のブッチ&サンダンスとか)は除外、でもなぜか『悪党日記』のクラウス&リュカが入ってたりとか、スポーツまんがの正統ライバルキャラも除外、でも『あしたのジョー』の力石徹と『リングにかけろ』の剣崎順は入ってたり、とか、キャラのセレクトについてはかなり紆余曲折ありましたが、まあその辺もいずれ、一応「線引き屋」Webサイトで「惜しくも選に漏れた悪党」「ボツ原稿全長版」などの形で触れたい予定。「待て、そして希望せよ」byモンテ・クリスト伯爵(←こればっか…)
ってわけで、よかったら書店で手に取ってください。当然、さらにレジに持ってってくれるのを希望。