電氣アジール日録

自称売文プロ(レタリアート)葦原骸吉(佐藤賢二)のブログ。過去の仕事の一部は「B級保存版」に再録。

福岡最大の企業はこげん恥ずかしか会社やったとですか

東京新聞2011年7月9日 夕刊
「九電やらせ 番組前、佐賀県に情報」
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2011070902000182.html

 武藤県議は、番組放送直前の二十六日朝、佐賀県幹部に「九電側が、番組中に賛成のメールを送るよう指示した文書がある」と伝えたが、県は九電に事実関係を確認しないままだった。県幹部は「まさかと思った。原発の安全性について)国がどう説明するかに集中していた」と釈明している。

佐賀県知事の建前「いやあ、それは問題だねえ。でも忙しいから後でね」
本音(ああ、九電もわかっちょるなあ……よか会社ばい。でもバレんようにしちょくれよ)

 松尾会長は八日夜、元副社長の発言について「一種の愛社精神や、原子力事業がうまく運ぶようにと思い、軽い気持ちで下に言ったのではないか」と記者団に説明。一方で「(再開を容認する)メールを送ってくれとは全く言っていない」とし、元副社長はやらせには関与していないとの見方を示していた。

上司「玄海原発が止まってしもうたらウチの会社も日本の電力も大変ばい。ああ、どげんかして原発賛成の意見が集まらんとやろか……」(な、わかっちょるやろ?)
部下「……そうですね」
(よっしゃ、ここでオレが全責任を背負って部下に指示の出せば、あとから社長も会長も涙ば流して「よく汚れ仕事ば、みずから引き受けてくれたばいね。キミは我が社の英雄ばい」なーんて誉めてくれたりなんかしちゃったりして〜♪ えへへ〜☆)
それこそこんな感じか。ああ、日本の組織文化ってホントに便利。以心伝心ってやつだ。
……そーいや、甘粕正彦も自分の一存で大杉栄殺したことになってたっけなあ。軍上層による明確な指示があったかどうか、甘粕は鉄の意志で墓まで持ってったけど。
――ひとつ断っておくが、九州電力および関連会社の人間に、玄海原発をどうするかについて「電力と原子力に関わる現場当事者の立場」としての意見があるのなら、それには充分、耳を傾けるべき価値がある。
それはそれで、わたしのようなただの一介のシロウト聴衆の意見とは違う、リアルな切実さがあるはずだろう。
問題は、それを黙ってタダの一国民の立場を装った事だ。
***
ところで、勇気をもってやらせメール問題を内部告発した九電関連会社の人は、左遷された末に自殺に追い込まれるオチかね。あるいは、深さ600メートルあるというここの地下坑道にポイか。わたしは少々本気で心配している。