電氣アジール日録

自称売文プロ(レタリアート)葦原骸吉(佐藤賢二)のブログ。過去の仕事の一部は「B級保存版」に再録。

放火魔と呼べばかっこいいが炎上屋と呼ぶとダサい

深夜に『攻殻機動隊ARISE』を観てたら、なんか超ベタな解釈が思い浮かんだ。
今回の劇中にはファイア・スターターなる電脳ウイルスが登場し、これに感染した者は疑似記憶に操られて集団で他者を攻撃する。
劇中バトーはあっさりこれに引っかかって、自分が経験してもいない事件のため当人は正義感100%で全力で少佐と敵対してた。
このファイア・スターター感染者って、つまりネットで仕入れた情報と自分の自発的意志の区別がつかなくなったまま、正義感を振りかざしてる人のメタファじゃないの? それこそ「ネットde真実」とか言ってる人たちとか。
(実体験でもない記憶のため狂った正義を振りかざす人たちの寓話なら『ONE PIECE』の魚人島編でも出てきましたっけ)
終盤に出てきたパイロマニア(放火魔)なるキャラは、ファイア・スターターの信奉者でこのウイルスをまき散らしていたようだが、そいつ自身の思想など何もなかった。これって要するに、主義主張はどうでもよく、多くの人間をネット上の炎上に参加させる「炎上屋」じゃねえの?