電氣アジール日録

自称売文プロ(レタリアート)葦原骸吉(佐藤賢二)のブログ。過去の仕事の一部は「B級保存版」に再録。

ぼくのかんがえたさいきょうの少子化対策

以上を踏まえて、わたしが考える有効性の高い少子化対策は「家業」の復活である。
少子化の発生以前は職住一体が当然であり、職住分離が家事と育児の困難の元凶だ。したがって、自宅で家事や育児をしながら仕事のできる環境を推進すればよいのだ。
だから、わたしは育児と仕事の両立のため、日本の大企業に対し、在宅勤務の大々的導入を提案する。
現実問題として、現代のホワイトカラー業務はこれだけIT化が進んでいるのだから、顧客や取引先と直接接する営業や販売の部署以外なら、会社に出勤するのは週に一度のミーティングや報告を行う曜日のみで問題なく回るのではないか?
かつてわたしが勤め人をしていた最後の時期(2001〜04年)の仕事は、WEBデザイン、顧客データベース構築、会計管理などであったが、1日の勤務時間中、職場の上司に直接に顔を突き合わせて話をする必要はほとんどなかった。
在宅勤務者ならば、仕事の提出納期さえ守れれば、勤務時間をいつ捻出するかは自由だ。赤子を横に寝かせたまま書類の作成だってできる。いや、昭和30年代までの農家や個人商店はみんなそうしてきた(つけ加えれば、わたしの幼児期には母も自宅で簡単な時計部品作りの「内職」をしていた。1970年代にはそんな仕事もあったのだ)。
先日『週刊新潮』に掲載された夏樹静子の追悼記事によれば、彼女は出産直後、毎日赤子が昼寝する2時間を執筆にあてて小説を書いていたそうである。作家という自宅で仕事ができる身分ゆえの育児と仕事の両立だ。
在宅勤務には仕事上の情報漏洩というセキュリティの問題もあるが、そこは会社オフィスに一人一台のPCを置いたものと同じ感覚で、各人に仕事専用PCを貸与すればよい。
また、みずから「自宅勤務だとだらけてしまう」と言う人間がたまにいるが、そういう人間は逆に考えるべきである。自分は自宅が仕事場の個人事業主で、会社から仕事を請け負っているのだと。少なくともわたしは、そういう認識で11年間フリーランスを続けてきた。
――どうですか? 経団連の皆さん(←絶対に俺のブログなんか読んでない)