電氣アジール日録

自称売文プロ(レタリアート)葦原骸吉(佐藤賢二)のブログ。過去の仕事の一部は「B級保存版」に再録。

ゴジラ対あまちゃん(ウソ)

――ときて、『ゴジラあまちゃん』があるとすれば、こんな感じか(入浴中に湯船に浸かって考えた妄想の類)
20XX年、復興が進みつつあった北三陸に、アキの祖父忠兵衛の乗った遠洋漁業の船が北太平洋で遭難し、生還は絶望的との報が届く。
ほどなく、ゴジラの出現と北三陸近辺への上陸予想が報じられ、北三陸には次々と報道陣や野次馬が集まって来る。観光客の増加を喜ぶ大吉や菅原だが、本当にゴジラが上陸すれば町が破壊されるやら放射能汚染やらでたまったものでない。かくして観光協会では連日「ゴジラ対策をどうすっぺ会議」がくり返される。
そんな折、水口と勉さんが琥珀掘りの最中に地下で巨大な卵のような物を発見する。勉さんは「モスラの卵に違いない」と言いだし、ザ・ピーナッツを呼んでモスラゴジラにぶつけようとするが、伊藤姉妹は両方ともお亡くなりになっていた。
かくしてアキ&ユイの潮騒のメモリーズが「モスラの歌」を歌わされることに。毎度のようにユイは当初困惑顔だが、アキは途中からやけくそ気味にノリノリとなる。
だが、残念ながらモスラの卵と思われた物はマンモスフラワーことジュランの種子で、北三陸には新しい観光名所が増えたものの、ゴジラ対策にはなり得なかったのだった。
紆余曲折を経て結局、初代ゴジラに対して芹沢博士が使用したオキシジェン・デストロイヤーを使うしかないという話になり、潜水士の種市が危険な任務に志願する。そして出撃の前夜、一升瓶を持ってアキのところに来た種市は、生還できないかも知れない恐怖を紛らわすように痛飲、アキは種市をなだめつつ一杯、二杯と付き合い、結局二人ともすっかり泥酔してゴジラ迎撃に行き損ねる。
そこで、種市の代理として作戦に志願したのはベテラン海女の夏ばっばだった。どうせ老い先短いと覚悟を決めていた夏は「忠兵衛さんの所さ行くだ」と決意を胸に秘め、オキシジェン・デストロイヤーを手にして潜る。
海底で休息するゴジラのすぐ近くまで来た夏は、オキシジェン・デストロイヤーを手放すが、そこでゴジラが目を醒まし、その巨大な口に飲み込まれそうになる。
だが、次の瞬間、突風のような海底潮流が夏をゴジラから引き離し、夏は洋上へと押し流された。ゴジラが視界から消える直前、海中で夏の目の前を横切ったのは、亡き忠兵衛がいつもかぶっていた帽子だった……。
洋上の船で夏ばっばを迎えるアキ、春子らに夏は「忠兵衛さんが守ってくれただ」と涙ながらに語る。その横では勉さんが海を眺めつつしみじみと「あのコジラが最後の一匹とは思えんだ」と呟くのだった。