電氣アジール日録

自称売文プロ(レタリアート)葦原骸吉(佐藤賢二)のブログ。過去の仕事の一部は「B級保存版」に再録。

季節遅れの夏の港(まだ暑いが…)

『Z GUNDAM HISTORICA』05号「ホンコン・シティ」(講談社)発売。
今回はわたしの執筆担当は少なく、いつものエピソードガイドまわりの他、キャラクターガイド「星々の群像」アムロベルトーチカ編に、クロスレビュー戦災孤児娘は良妻賢母の夢を見たか」を軽く執筆。幻の「アムロの子供」はどこへ行った?
だが待て、9/22発売の「ゼータの鼓動」では、「星々の群像」で、ティターンズきってのヘタレ犬ジェリドと、野獣ヤザンについて大量執筆だ!
なお、少し前むいむい星人女史になんとなく見破られたが、エピソードガイドのコラムなどを執筆する時、本文はきちんと書いておいて、キャプションは結構遊ぶという芸風が定着してきたのはご愛嬌……
今号も見もののひとつは巻中のサイコガンダムCG画だろうか、この巨大感、というか紙面でかでかと使って全身の上から三分の一だけだもんな……サイコの巨大感といえば劇場版Zパート2「恋人たち」が最高、試写の本編ストーリー感想はまだ伏せるが、公開後どう反響を呼ぶのかは興味が尽きない。
まったく関係ねえけど、Zガンダムやってた1985年って、大阪じゃ阪神優勝を機に「とにかくめでたい時は道頓堀に飛び込む」という風習が始って、所沢じゃ渡辺美里のライブが始った年だな、どっちも今後はもう復活せぬ予定。

大いなる矛盾

SAPIO』最新号を読むと、小林よしのりが、沖縄での反ヤマト世間の強さを同調圧力だと難じている。うーん、それって、上原正三氏からも聞いたけど、沖縄は特に昔ながらの地縁血縁が強いってことだろ、だからそーいうのこそが正しい日本の田舎なんだって。沖縄の反ヤマトンチュってのは、つまり、政治的イデオロギーというより、会津人が戊辰戦争の恨みで薩摩・長州人を憎み続けたのに近い感情だろう。土着主義者の反米保守を標榜しているはずの人間が、こういう点をスッパリ見落とすとはなあ……。

人に歴史あり

『人間関係がニガテでもうまくいく天職ガイド』(廣済堂)(isbn:4331511170)が、発売後一週間そこいらでGoogle検索350件もヒットしやがる。出足だけ言えば『架空世界の悪党図鑑』(講談社)より注目度高くない?(一応、実用書だからね)
しかし反面「なんだ書名倒れの羊頭狗肉じゃねーか」という反響がこないかとワクワクもといビクビクもしている。引きこもりでもオタクでもできる仕事、として広義の芸術家、クリエイターという仕事を取り上げるに当たり、虫の良いきれいごとを書いたつもりはない。が、結局は、うまくそーいう仕事に潜り込めるかってのは、ケースバイケース、時の運と人の縁次第、としか言いようないんだよなあ……
ちなみに、本書中「新聞販売店員」「マンションの専属清掃員」「校正係」「外国製ソフトウェアのローカライズ」「Web広告バナー作製」などはわたしの実体験で書いてる。このうち最後の二つはクリエイターっぽい仕事だが、友人からのコネ就職である。ただし、Web製作会社勤務の前歴アリだから振られた仕事だ。
では、コネってどうやって作るの? というと、だからこれがケースバイケースとしか言いようない、そういうジャンルの趣味の会、イベント、お勉強会に顔を出し、講師と親しくなる、などだが、わたしの通ったマスコミ系専門学校も、黙って座って講義を聴いててもそれだけでは何の意味もないが、仲間や業界入り口を得るのには少しは役に立ったさ。
関係ねえが、『週刊新潮』のTEMPO欄の紀田伊輔の書評コラムは毎度面白い。書評対象にかこつけつつ、時おり混じる70年前後生まれ世代として、勤め人ならざるフリー出版業界人としての、軽い自嘲と自戒が結構他人事と思えぬ。その内俺の関わった本も取り上げてくんないかなあ……