電氣アジール日録

自称売文プロ(レタリアート)葦原骸吉(佐藤賢二)のブログ。過去の仕事の一部は「B級保存版」に再録。

日曜朝の正義の空回り


仮面ライダー555」で、最終回を前に、視聴者の嫌われキャラ、仮面ライダーカイザ草加雅人が遂に戦死してしまった。
この番組、途中で主人公(仮面ライダーファイズ・乾)が人外の怪物でしたと判明するのは、いまどき本当に70年代のヒーローらしかったが、通しての感想はやはり仰々しさばかりが目に付きイマイチの感(そんなら『龍騎』の方が好みはともかく「斬新」だった)
結局、最終的にこの物語が、じつは超人類オルフェノクだったのに現人類を守ろうとするファイズ・乾と、現人類抹殺を決めたオルフェノク木場の対決に行き着くんだろうなあ、というのは、まあ予想がついたが、土壇場で展開を急ぎすぎ、善良な坊ちゃんだった筈の木場のキャラが急に変わりすぎて、真面目に感情移入できん。
で、主人公のファイズ乾と対照的に、ほとんど狂信的にオルフェノク悪者説を取り、乾と木場の仲を割く小学生レベルの陰謀までやってた草加は、本当にナイスな嫌な奴だった。
そんな草加潜在的オルフェノクの要素がありつつそれが覚醒しなかっただけ、という皮肉な設定は、何だかまるで、自分自身白人の中の落ちこぼれだからこそ躍起になって有色人種を差別するネオナチやKKKみたいに感じたものである。
結局、草加自身もオルフェノクに覚醒しかけて苦悩する、という展開を期待してたけど、そうはならかったのは少々残念。