電氣アジール日録

自称売文プロ(レタリアート)葦原骸吉(佐藤賢二)のブログ。過去の仕事の一部は「B級保存版」に再録。

ところで、この対談では、

日清戦争(1894年)と日露戦争(1904年)の中間に起きた米西戦争(1898年)と日本の関係についての指摘が興味深かった。
山崎先生曰く、日本が支那大陸にかまけてる間に、この戦争でスペインからフィリピンやグァムを勝ち取ったアメリカの太平洋覇権が進行してたのだが、実はアメリカに乗っ取られたハワイの王室が親日政権になってた可能性というのもあり、それ次第では大東亜戦争の行く末も変わってたかも知れない云々とか……
なるほどねえ。確かに、米西戦争というのは、独立以来百年、南北アメリカ大陸の外には干渉せず、というモンロー主義政策を取ってたアメリカが、初めてアメリカ本土を離れた地域への覇権に踏み出す契機だった。日清日露戦争の間に地球の反対側でアメリカとスペインがやってた戦争など、日本人にとってはほとんど印象ないだろうが、そう考えるとこの意味は案外でかい。
ちなみにこの戦争を煽ったのは新聞王ハースト(映画『市民ケーン』のモデル)だと言われる。現代で言えばCNN創業者のテッド・ターナーみたいなもんか。
……と、そんなことを考えてみると、実にありきたりな感想だが、つくづく、歴史は繰り返すというか、近代は100年一日変わらんな、とか思ってしまう。