電氣アジール日録

自称売文プロ(レタリアート)葦原骸吉(佐藤賢二)のブログ。過去の仕事の一部は「B級保存版」に再録。

また、繰り返されるよくある話

昨年末に知ったが、なんでも「『三十代未婚女は(高学歴・高収入でも)負け犬か?』論争」というものがあるそうだ。酒井順子という人の書いた『負け犬の遠吠え』という本が大きな反響を呼んでるんだという。
で、年頭いきなり『AERA』でその著者と小倉千加子の対談が載ってたが、うげ、何だそりゃ、この手の論議は10年前から何度目だ? と強烈なデジャヴュに襲われる。
ま、独身の無学歴低収入男というわたしは、この話にまったく当事者ではないが、こういうのを見てると「おい皆もっと歴史を学べよ」と言いたくなるんで、年寄りの責任感で、門外漢を承知ながら口を挟んでおく。
何でも酒井女史によると、いかに高学歴高収入になろうと結婚して子供が居なければ一人前扱いされない、というプレッシャーは健在で、少子化高齢化社会化がこれに拍車をかけてるんだが、高学歴高収入女性の多くは高望みで、結婚するにしてもつり合うような立派な男じゃなきゃイヤ(それは正当な感情だ)と思ってるうちに売れ残るんだとか何とか。
……って、ほとんど同じ話を、10年ちょっと前、廃刊間際の『朝日ジャーナル』の、当時の名物コーナー「タコの筋肉本舗」で読んだ記憶がある。当時は「モテる男は『3高』」とか言われ、モテへん男が余ってると盛んに言われたが、いや実は女も余ってる、むしろ高学歴高収入でオシャレなイイ女が余ってる、なぜかというと……という内容だった。