電氣アジール日録

自称売文プロ(レタリアート)葦原骸吉(佐藤賢二)のブログ。過去の仕事の一部は「B級保存版」に再録。

洗脳というのは、自分からかかるものである!!

で、わたしは件の団体には加入しなかったが、その後『悪徳商法マニアックス』他ネットで、件の団体の元会員の告発の類を多く目にすることになった。
しかし、そこでちょっと違和感を覚えたのは、件の団体に愛想をつかした元会員の多くが、彼らもまた少なくとも一時的には、件の団体のマインドコントロールに自発的に乗って、団体とその指導者を熱烈に礼賛してた筈なのに、脱会して、同じように団体に違和感を持ってた人間の場を見つけた途端に、そこに加入してた当時の自分の心理の客観視など一切せぬまま、掌を返したようにかつての指導者に全責任を被せて罵ることである。
これは要するに、件の団体という「世間」を、それを批判する外部「世間」に乗り換えただけではないのか? 極端な共産主義から転向した人間が、マルクス天皇に置き換えただけの極端な反共産主義に走るのと同じ事である。信仰する神、所属する「世間」を変えただけで、依然「僕は正しい陣営の正しい良い子」というわけだ。
――結局、「世間」に順応して生きてるだけの日本人の気質体質が不滅な限り、それに乗じる悪者も不滅なのだろう。
ファシズムというのは、何も悪い煽動者が善良な民草を暴力で従わせて起きるものではない、民草が当人は善意のまま揃って一つの方向に向かうことによって起きるのだ。