電氣アジール日録

自称売文プロ(レタリアート)葦原骸吉(佐藤賢二)のブログ。過去の仕事の一部は「B級保存版」に再録。

「守るべき価値」のある親米思想?

ときて、急にふと思った、おおそうだ、だったら以下のような理屈で、積極的な親米保守の理念を立ち上げられないか?
現状の平和で豊かでお気楽な消費文化は、敗戦を率直に受け入れ、高度経済成長期、対米従属下の経済的繁栄を築くために汗水たらしてきたお父さんお母さんの血と汗の産物である、それを反故にするのか? できるわけがない、だから我々は(別にアメリカに積極的に共感するわけでなくても)対米従属を続けるのだ――と。
こう胸を張ってハッキリ言えば、案外、ただの現状の快楽社会を守りたいがゆえの、消極的な「手段としての親米」なんぞよりずっと、説得力あるかもしれないぜ。何しろ実際、昨今は、『プロジェクトX』やら、浦沢直樹20世紀少年』やら、『クレヨンしんちゃんOhモーレツ オトナ帝国』やら、昭和30年代、高度経済成長期懐古、礼賛ネタの花盛りではないか?
ひとつ、こういう主張で積極的に親米を唱えるイデオローグの登場を見てみたい。大塚英志も最近はこういうこと言いそうにないし、宮台真司先生も反米愛国だっていうし、ひとつ例えば、岡田斗司夫氏あたりがこういうこと言ってくれないかなあ……
――しかし、ここまで書いて今さら気づいた。いや、坪内祐三氏が書いてたところによれば、アメリカのネオコン中核のユダヤ系文化人、って、まさに、マーベル・コミックやらプレスリーやらの「サブカルとしてのアメリカ」に帰属意識を持つ世代なんだそうだった。
まっ、俺程度で思いつくことは既に誰か言ってるか……