電氣アジール日録

自称売文プロ(レタリアート)葦原骸吉(佐藤賢二)のブログ。過去の仕事の一部は「B級保存版」に再録。

来週のずばり9/11上映は込むかな?

と、いうわけでやっと『華氏911』を観てきた。要約すっと、この映画の内容はだいたい――
 (1) ブッシュ大統領の一族は、長年に渡って、石油ビジネスでビン・ラディン一族およびサウジアラビア居王室関係者と大の仲良しで利益を得ていた。
 (2) イラク戦争では、イラクを解放し自由と民主主義をもたらすために送り込まれたアメリカ兵たちが、現地では到底歓迎されようもない状態にある。
 (3) で、そのアメリカ兵たちというのは、アメリカ中の田舎のさびれた貧困階層の有色人種子弟がほとんどで、その一方には戦争で儲けてる連中がいる。
――という三点だろうか。以上を説明する材料は、確かに創作ではない、きちんと記録に残っている映像だ。が、これだけ一方的にその情報ばかりを見せ付けられれば、事実の一側面のみを強調した恣意的な「あざとさ」を感じるし、村崎百郎氏や唐沢俊一氏ような人物なら鼻白むのも納得できる。
http://www.shakaihakun.com/data/extra.html
だが、この「あざとさ」は、既に町山智浩氏も強調している通り、選挙登録もしてないような、911テロがイラクフセインの仕業と勘違いしたままの無学無知な貧困層アメリカは日本に比べれば想像できないくらい上下の差が極端な国なのである)に向けたものなのだ、ということを考えると、まだそんな階層問題が差し迫って存在するわけでもない、今の日本にいる身で、それをストレートに批判するのも賞賛するのもためらわれる。
で、とりあえず結論は保留で思ったことを書いておく。