電氣アジール日録

自称売文プロ(レタリアート)葦原骸吉(佐藤賢二)のブログ。過去の仕事の一部は「B級保存版」に再録。

事情はかの国も同じなんだろうかなあ……

――にしても、前から思ってたことだが、当然、日本だけでなく他の国も同じく戦後60年も経つわけで、中国、韓国などで盛んに反日を唱えてる人たちだって(両国には公式的な反日教育があり、特に支那には歴史的に「華/夷」という差別概念が強くあるにせよ)ほとんど戦後生まれ戦後育ち、下手すりゃ日本との経済関係の恩恵の風下にある世代だろう。
じゃあ、彼らのナショナリズムというのも今や、日本の側の反中、反韓感情と同様(全部とは言わないが、ある割合)観念化したものじゃないのか? と思われてならない。
こうなってくると、思いつく解決策は、思い切り後ろ向きなものだが、戦後日本が(特に若い世代が、文化面で)自ら好き好んでかつての敵国アメリカにすっかり癒着して、もうすっかりアメリカに刃向かう気力を失ってしまったのと同様に、中韓も、若い世代が自ら日本文化の影響を受けて骨抜きになってくれるのを期待するしかないのかあ、などと考えてしまう。
かつて『永久保存版』の高井守氏が書いてた

もうワタクシはマクロスを笑えません。ああどうしましょう。
http://www.jp.piko.to/index-a2002aug.html

という一文を思い出す(元ネタは、台湾ほか近隣アジア諸国への日本のアイドルやらオタク文化の普及の影響を、文化のない敵宇宙人が地球人の軟派なサブカルチャーに自らハマって戦意を失う、という『マクロス』の内容になぞらえてのお話でした)。
そういや以前にこんなことを考えたことがあった。
中国でも市場開放が進んで、日本同様に消費文化と拝金主義が広まれば、貧しい不幸な娘が生活のためのやむを得ず売春、とかでなく、良家の子女が小使い稼ぎ目的の援助交際女子高生も出てくるかも知れない、で、中には日本人ビジネスマンをその相手にしようとする子も出てくるかも知れない、だが、単純な左翼マスコミはこういうのまでもやっぱり従軍慰安婦問題とかに結び付けてしまうのかなあ、と。
そうなった場合、日本の側の買春オヤジもみっともないだろうが、いまだ儒教文化の強く残るかの国では、自国の援交女子高生の方こそが売国奴と叱られるのを期待する(笑)
少なくとも今日「搾取/被搾取」という構図は、そんな簡単なもんじゃないだろう。こう書くと変だが「搾取する側と搾取される側の共犯」とでもいうべき事態だってあり得る。
前にも書いたけど、民衆の自発的意志なんて「良いも悪いもリモコン次第」、今や事態は万国共通じゃないか、と。