電氣アジール日録

自称売文プロ(レタリアート)葦原骸吉(佐藤賢二)のブログ。過去の仕事の一部は「B級保存版」に再録。

ものは言いよう

さて、スパム迷惑メール送信業者はそのつど手を変え品を変え文面を変え人の気を引こうとするが、こいつらの手に掛かると、あらゆるものが一気に陳腐化させられる。
電車男』が流行り出した時は、差出人「エルメス」と名乗り、文面は「『電車男』みたいな恋がしたい」などホザくスパムもあった。
本来「上流階級人士」を指すものだった「セレブ」という語句は、スパムメールの世界では、すっかり「愛人を探してる金持ち女」(←現実そんな奴がいても、スパムメールで不特定多数に相手募集なんかするワケねぇだろ!!)を指す語句に陳腐化している。
で、最近目立つのが「ソーシャルネットワーキングサイト」「コミュニティサイト」のお誘い、と名乗る出会い系スパムである。
これは明らかに、mixiその他のSNSの成功に便乗したものだろう。普通、SNSの加入お誘いというのは、既にそのSNSに参加している個人会員が紹介者となるものである。にも関わらず、見ず知らずのその自称「ソーシャルネットワーキングサイト」の主催者団体が勝手に一方的に送りつけてきて「コミュニティには有名な芸能人も参加」などと書いてあるのが常套だからしゃらくさい。
と、思っていたら、月刊『諸君!』最新7月号の「麹町電網測候所」コーナーで、mixiを代表格とするSNSが「出会い系サイト」呼ばわりされ、さんざんに罵倒されていた。
確かに、mixiなどSNSを実質出会い系として利用(悪用?)する人間はいるようだ。だが、わたしとしては、上記のように「悪質出会い系業者がSNS成功に便乗し自分らもそう名乗るようになった」という認識だったので、ひどく違和感を覚えた。
この「麹町電網測候所」コーナーは無署名だが、執筆者には諸説があり、複数のスタッフで書いているという説もある。その執筆者の一人と目される某氏の親しい仲間は、先頃mixiの「嫌韓」コミュニティで過激な差別発言を繰り返したためmixi主催者から度々注意を受け、ついにmixi退会に至ったと聞く。ひょっとして、仲間がmixiでいじめられたので、無署名の匿名記事でmixiを罵倒して憂さ晴らし、というわけか?
……まあ、以上は仮説に仮説を重ねたものでしかない(だからその執筆者と目される人物も、mixiを追放されたという人物も固有名は書かないでおく)。だが(別にわたしはmixiから金をもらっているわけでもないし、mixiの主催者と利用者が一人残らず聖人君子だなんて思ってないが)、上記推察が事実であったら、わたしは、到底言論人としては尊敬できない態度だろうと思っている。