電氣アジール日録

自称売文プロ(レタリアート)葦原骸吉(佐藤賢二)のブログ。過去の仕事の一部は「B級保存版」に再録。

資本主義vsダダイズム

2年前、仕事のためにしぶしぶ携帯電話を導入した。なんとなくtu-kaを選んだのだが、今年に入りtu-ka経営元のKDDIから、会社が統合されたのでauに替えろと命令する連絡が来やがった。どうやらいずれtu-kaは消えるという。
かくしてしぶしぶ再契約に行ったら、そっちの都合で再契約だというのに、電話番号が同じままでの再契約では、電話機が有料だという。
まったくの新電話番号による新規契約なら電話機は1円だ。とはいえ仕事のための携帯電話なんだから、番号変えたら関係者全員に通知し直し、名刺だって刷り直しである、そいつはかなわない。
いずれにせよ電話機自体も2年そこいらで老朽化、旧式化であるからしぶしぶ納得したのだが、そのあと、これまで再三の「しぶしぶ」(最初のひとつ目は自己責任だが…)も稚戯と思えるデタラメを吹っかけられた。
au契約者は、同時にe-まちタウンPPCマスターカードなるものに加入することになってるという(入るのを「勧められた」のではない、さも「入るのが当然」という態度だった)。さてこのカード、マスターカードおよびアイフルと提携しているという……
ちょっと待て俺は携帯電話の契約に来たのであってサラ金の契約に来たんじゃねえぞ!
さて、『ナニワ金融道』にも出てきた通り、サラ金各社は横の連携で借入額が一発でわかる仕組みになっていた筈である。では、仮に借入額が0でも、俺の個人情報はアイフルから武富士アコムその他に筒抜けか?
慌ててau店員に訊くが、そんなことはわからんと言う。
その場で詐欺カードの発行元であるe-まちタウンなる腐れ悪徳商法会社に電話して訊くも、やはりわからんとの返答、続けてアイフルに電話するも、受付の気の弱い下っぱ娘(←こーいう奴をわざと窓口に使うのが奴らの手口!チワワの可愛いCMと同じ思考!!)もわからないという。
冗談じゃねえ俺は一度も消費者金融で金を借りたこともなければ、今後も関わる気はないッ!!!! あぁ? そーやって、判断能力のない人間を美辞麗句で巧みに唆して消費万歳ローン万歳借金万歳の堕落した資本主義の豚どもの仲間に陥れる気か?
――と、auショップの店頭でさんざんダダをこねた結果、このキチガイじみた客(わたし)に絡まれた不幸な若い店員は悲しげに「嫌なら入らなくて良いです…」と言って、わたしがサインしかけた、e-まち(略)カード契約書をシュレッダーに入れた。
別に全員強制加入じゃないんなら、先にそう言え
ま、auショップの店員も、単に上から言われて、無条件に営業成績伸ばすのが善いことだと思って勧めてただけだろう。多分この従順なロボット店員個人には大して罪はない。
しかし、わたしのようなわがままなダダイストではないおとなしい善良な客の多くは、カラオケ行くのにも消費者金融を使いカード破産をちっとも恥じない若人も、自分で幾ら使ったかも数えられない認知症手前のご老人も、ホイホイと判を押して契約したことであろう。そりゃ破産者が量産されるはずだ。
aue-まちタウンアイフルマスターカードの各社は、この詐欺カードは、全員強制加入ではなく、「入らない自由」(=借金しない自由、資本主義の誘惑を拒否する自由!!)があることを、あらかじめ消費者に告知する義務があるのではないのかね?

悪い奴らは 天使の顔して
心で爪を といでるものさ
宇宙刑事ギャバン』(山川啓介作詞 渡辺宙明作曲)