電氣アジール日録

自称売文プロ(レタリアート)葦原骸吉(佐藤賢二)のブログ。過去の仕事の一部は「B級保存版」に再録。

「敵」もタダの人(たぶん)

まず自分は被害者の側だと思っていて、かつ頭に血が上っている人には、その怒りの対象のことを、徹底的に卑劣な人間に違いないと思い込む、というか、徹底的に卑劣な人間であって欲しいと願い、瑣末なことでも、これは悪意に基づく行動に違いないと決め付けたがる心理、というものがある。
たとえば、前にも書いたが、建国義勇軍国賊征伐隊事件の時の「朝鮮総連の自作自演」説や、のまネコ騒動の時のavex社長襲撃予告を「avex社員による自作自演」説の流布もそのような感情の産物という気がする。
あるいは、中国、韓国の反日論者は、日本人多数はいまだ帝国主義的侵略的意識が旺盛と思いたがってるが、実際の日本の男は、自分が徴兵されて戦う気なんかない軟派者が多数だっちゅーの。一方、戦時中の日本人多数も「鬼畜米英」とか言って米兵は一人残らずレイプ魔だと思い込んだが、戦後進駐したGIの多くは、何のこっちゃ、タダの普通の人であった(実際、不良暴行米兵も一部いたが…)。そんなもんだ。
が、頭に血が上っている人間には、「敵」の実像より、自分の脳内で作った敵像の方が大事になってたりする。この手の思考短絡に陥ることは、慎重に避けねばならない。
カミュの『異邦人』では、前半でごく淡々と語られた、主人公のどーでもいい日常の瑣末な行動のひとつひとつが、後半の裁判の場面では「コイツはこんなに異常な凶悪犯罪者だぞ」と恣意的に解釈される様を描いていたものだ。
(ま、Google八分でなかったにせよ、そもそも、携帯電話の契約に行ったら説明不充分のまま関係ないカードに契約させられそうになった事にムカついてんのは変わらんけどね)
――とりあえず、だいぶ前に聞いた話では、Googleのしくみでは、基本的に「多くリンク参照されているものは検索結果上位に来る」らしい。
とすれば、果たしてグーグル八分だったか否かに関わらず、「電氣アジール」+「e-まちタウンPPCマスターカード」、「骸吉」+「e-まちタウンPPCマスターカード」がちゃんと検索結果に反映されるようになったのは、本ブログをアンテナやRSSリーダに入れてくれている人々のお陰かも知れない。その点は一応、本ブログ閲覧者の皆様にお礼を申し上げておきます。ありがとうございます。