電氣アジール日録

自称売文プロ(レタリアート)葦原骸吉(佐藤賢二)のブログ。過去の仕事の一部は「B級保存版」に再録。

「和気あいあい判決」なんて却ってキモくね?

仕事のため、法務省が作った、2009年導入予定の裁判員制度の広報ビデオを観た(『裁判員』という題名のものと『評議』という題名のものの2本がある)
まあ当然、広報映画としては良くできてたんだが、わたしのようなへそ曲がりには、同時に、何とな〜く、この制度の問題点が見えてしまう。
広報映画中では、プロの裁判官と、民間人から集められた裁判員の間で、いかにも和気あいあいと評議が進む、しかしだ、実際には、民間人から集められた裁判員には、自分で自分の意見を決められない人間だって少なくないのではないか?
裁判員制度は、これまで司法のプロに一任されていた裁判制度に、一般国民の意見を反映するためのものと説明されている。だが、むしろ、それこそプロ裁判官の意見によって作られる「空気」によって、一般裁判員は、裁判官に誘導され、却って裁判官の判決を裏づける構図にならないか?
今やってる仕事の一つでは、そのへんの打開の視点のひとつを提示できればと思っている。