電氣アジール日録

自称売文プロ(レタリアート)葦原骸吉(佐藤賢二)のブログ。過去の仕事の一部は「B級保存版」に再録。

人はみずからファシズムの犬となる。

しかし、だから「右や左のプロ政治思想団体や宗教団体はヤバいが、利益しか追求してない団体は正しい」などとはならないのである。
このブログでは過去何度もしつこく取り上げたが、わたしは10年程前、リバティコープという狂信的ネットワークビジネス団体に付き合わされ、心の底から辟易したことがある。
この団体に付き合わされた当時、わたしは「自分のよーな、いい歳して定職にも就かず、オシャレや金儲けに関心を持たず、高級車や高級ブランド品よりトロツキー自伝や宇宙海賊キャプテンハーロックの方が好きなような人間ではダメだ、積極的に社会にコミットして、オシャレや金儲けに関心持たなければ」と"義務感で"思っていた。
要するに、脱オタ、脱ニートせねば、と考えとったわけだ。ゆえに、件の団体「リバティコープ」の勧誘についフラフラとなってしまったのである。
そう、一日限りとはいえ、わたしはこの資本主義真理教の犬に対して、自分から股を開いてしまったのである(股を開いただけで、処男は失わなかった。いや、結局契約書にハンコは押さなかったし、奴らのセールスする高額な商品は買わなかったから)。
かようなわたしを嘲笑いたければ大いに嘲笑って頂いて構わない。
が、わたしと同様の判断に陥る人間はあとを絶たないのである。ゆえに、本2007年も、円天だかエル・アンド・ジーだかいう悪徳商法が摘発された。数年前には、ジー・オーとか八葉物流とかいう団体もあった。
このテの団体の経営者とその構成員を、出資法違反だのなんだの事件報道されてから、外部からあんなウソツキの教組にダマされてアホじゃないかと言うのはたやすい。
だが、多数の組織構成員は、ダマされているのではなく、自ら好きこのんで組織に参加しているのである。
理由は、それが自分に利益をもたらす(と思われる)からだ。
少なくとも組織が順調に廻っている(かに見える)間はこのテの団体に組している人間の多数は、自分がちっぽけで無力な存在ではなく、何か大きなものにつながっているという安心感と優越感に浸っていて、そのため、強制されて参加しているのではなく、自分は自分の意志で参加しているのだ、と思い込んでいるからタチが悪い。
実際には、組織にいるだけで利益が得られるなどありえないのだが、あたかもそのような気分にさせるのがこのテの商法の手口である。