電氣アジール日録

自称売文プロ(レタリアート)葦原骸吉(佐藤賢二)のブログ。過去の仕事の一部は「B級保存版」に再録。

違法、合法って、そんなに重要か?

たまに「ネットワークビジネスMLM、連鎖販売は合法、違法なマルチ商法と一緒にするな」と主張される方が存在する。
なるほど、連鎖販売という手段自体は違法ではない。だが問題は、新規会員を組織に勧誘するときの「場の空気」作り、同調圧力作りのやり方だ。
組織は、本当は、組織に加入しさえすれば利益が得られるとは限らない、損するケースもあることを知っている。だが、それは言わずに、うまくいった組織内成功者の話ばかりを派手に見せつけて羨ましがらせ、「やってみなくちゃわからない」、このチャンスを逃すのか、我が組織に加入しようとしないキミはなんて卑小でみじめな人間なんだ、とかなんとか煽って加入させるのがお決まりなのである。
こうした心理的圧迫のトークも、別に法的には違法ではないかも知れぬ。
が、一個人の好みとして、わたしは大嫌いである。これは、違法合法に関わらず、ネットワークビジネスMLM、連鎖販売を否定する理由としてキッパリ言ってやってよい。
さて、件のリバティコープは、のちに経営陣がドラッグパーティやってただのといった犯罪的側面が内部暴露され、一気に会員が去って組織も崩壊した(ただし、元幹部は今も社名を変えた後継会社を経営している)。
わたしは、経営陣も経営陣だが、かつて経営陣をカリスマ的に崇めていた筈なのに、「経営陣は犯罪者」となった途端に掌を返したように態度を変えて「騙された」とか「私は被害者」と言い出した元会員連中にも怒りを覚えた。
では逆に、法に触れなければ何をやっていても良いのか? 現在の日本の法律では、ネットワークビジネスMLM、連鎖販売それ自体を禁止はしていない、しかし、法律の方が間違っていることだってある。かつてのアメリカでは、現在の視点ではまったく不当な人種差別が合法的に認められていたではないか。
この点、宗教的真理や右や左の政治思想理念を追求している(つもりの)人間は、組織が世間一般から糾弾されても「ダマされた」とは言わない場合があるが、利益を追求しているだけの人間は、結局は保身や世間体が大事になるので、自分が反社会的な陣営に与しているということになると、途端にその陣営からヒいて叩きはじめる。
(この構図、ネット上ではさんざん北朝鮮を叩いていた連中が、しかし反朝鮮総連テロを実行した建国義勇軍国賊征伐隊(ただし死傷者は一切出さなかった)のことは自分たちの仲間とみなさず一方的に敵(朝鮮総連)の自作自演と決め付けたり、同様に、のまネコ騒動の際、さんざんエイベックスを叩いて連中が、しかしエイベックス社長暗殺を宣言した学生のことは自分たちの仲間とみなさず一方的に敵(エイベックス)の自作自演と決め付けた図式と構造はよく似ている気がする)