電氣アジール日録

自称売文プロ(レタリアート)葦原骸吉(佐藤賢二)のブログ。過去の仕事の一部は「B級保存版」に再録。

9.映画『生きてるうちが花なのよ 死んだらそれまでよ党宣言』

http://movie.walkerplus.com/mv17404/
まだチェルノブイリ原発事故さえなかった1985年、原発内部で働く労働者にスポットを当て、つい近年まで長らくDVDも出てなかった幻の作品。池袋文芸座で観賞。
原田芳雄原発労働者の仕切り役で、倍賞美津子がその妻のドサ回りストリッパー。梅宮辰夫が地元の有力者と癒着して主人公を追い詰める悪徳刑事役って、深作欣二の『県警対組織暴力』とは逆の役回りかよ?
原子力発電所からの放射能漏れによって都会の一般市民が危険に脅かされ……というようなセンセーショナルな視点ではなく、むしろ都会の情報から隔離された田舎の原子力発電所の奥では、底辺の労働者がこんな風に扱われている……という視点が地味ぃに怖い。バブル前夜当時の地方の最底辺というものが改めてよくわかる。