電氣アジール日録

自称売文プロ(レタリアート)葦原骸吉(佐藤賢二)のブログ。過去の仕事の一部は「B級保存版」に再録。

10.映画『GODZILLA』

(公式:http://www.godzilla-movie.jp/
怪獣映画としてはまったく正統な作り。序盤、原発事故で妻を見殺しにせざるを得なかった技術者が、執念で事故の原因(怪獣の出現)に迫る展開など、今の日本じゃなかなかこういう演出ができないのが悔やまれる。
本作品でいちばん輝いていたのは、怪獣ムートーとゴジラアメリカ西海岸に上陸したとき、軍隊や警察がひしめく橋の上で、子供らを避難させるため迷わず全力でバスを走らせた運転手だろう。今の日本ならこういうことをやると「民間人が軍隊や警察に迷惑を掛けるとは何事か!」とドヤ顔で叱る馬鹿が出てくるんだろうが、本来、軍隊や警察の崇高なる任務こそ「民間人の生命を守ること」だっての。
あと、本作品ではゴジラの首が短いので「熊みたいだ」と不評らしいけど、そもそも「GODZILLA」の名には「GOD」と入っているが、蝦夷では「クマ(kuma)」と「カミ(kami)」は語源が相通じるものらしいから良いのではないか。