電氣アジール日録

自称売文プロ(レタリアート)葦原骸吉(佐藤賢二)のブログ。過去の仕事の一部は「B級保存版」に再録。

追悼に代えて

かつて、2005年6月に雑誌『TONR』第2号(https://www.fujisan.co.jp/product/1281681338/b/85569/)の特集記事のため、脚本家・上原正三氏の取材に行ったときのエントリからいくつか再録。

■上原インタビューこぼれ話少々
・『TONE』第2号の特集タイトルは当所「日本の戦争」だった。
そんで力の入った取材企画書と取材依頼文を書いたのだが、円谷プロ経由で依頼を受けてくださった上原氏は、取材当日の最初のお言葉が「今日は何の取材ですか? ウルトラマンのお話ですか?」でした(苦笑)。
・身内の絆を絶対とするような作品を多く書いてる上原氏だが、沖縄は大家族主義で血縁の付き合いが濃いので、帰省の際はお土産買ってくのが大変だという(でも、やっぱりきちんと買っらっしゃるんだな)。その反動か、ご自分のお子さんには放任気味で、ご長女はアメリカにいるそうで。
・そういえば『宇宙刑事』シリーズでは、当時普及したばかりのパソコン通信、ネットショッピングの先駆けなどを取り上げ、悪の組織がそれを利用して人間を堕落させる、といった「便利な物に騙されるな」というメッセージをこめた、資本主義快楽社会批判みたいな作品を多く書いてましたね、と話を振ったら、照れ隠しなのか「そういう新しい物はわかんないから、悔しくてやるんですよ(笑)」とのご返答。
今では脚本や原稿はパソコンで書いてるが、基本的にはITは苦手で、昨年放送の『ウルトラQ Dark fantsy』中の「ガラQの大逆襲」で、セミ人間に仕業で知らない間に自分がハッキングを行った事にされてた、というエピソードなどは、本当に自分の恐怖感が出ていたらしい。

 

 

■怪獣使いの証言
『TONE』誌のインタビューでは、上原氏の手掛けたヒーロー作品の話より、上原氏の戦争体験と、沖縄問題についての見解を聞くことをメインに努めた。
(最後の方じゃ、俺の好きな作品の趣味的な話も聞いたけど)
それでも唯一、上原氏の方から振ってきた自作品の話が『帰ってきたウルトラマン』第33話「怪獣使いと少年」の話だった。
畏友ばくはつ五郎こと河田氏(id:bakuhatugoro)が笠原和夫に着目する一方、わたしがなぜ上原正三氏に話を聞こうと思ったかというと、20年ばかり前、雑誌『宇宙船』のインタビューで、同氏が「沖縄から本土を見ている視点が、宇宙人の視点で地球を見ている、という感覚を描くのに役立った」と語っていたのが、強く印象に残ってたからだ。
彼は星から来たウルトラマンと同様「みんな」の外から来た人物だったのである。
上原作品では『帰ってきたウルトラマン』に限らず、『イナズマンF』でも『宇宙海賊キャプテンハーロック』でも『バトルフィーバーJ』でも『宇宙刑事シャリバン』でも、自分が生き延びるためやむを得ずであっても仲間を裏切った人間は、また、例え主人公の友人あっても一度でも私利私欲のために悪の組織の誘惑に負けた人間は、必ず罰が下って死ぬ、という話ばかりが繰り返し描かれている。
そんな脚本を書く御仁だから、俺のようなどっちつかずのコーモリ野郎には覚悟が必要かなあ、と思えば、存外に物腰がサバサバとしたお方だったので安堵したが、そのサバサバした感じは、どうやら「俺は所詮異邦人」という覚悟の産物ではないかと思われる。

 



■この上原作品が凄い
・取材前に上原脚本作品を数本観返したメモから
●『帰ってきたウルトラマン』(第一話「怪獣総進撃」)
・アーストロン出現
 逃げ遅れた村の娘、下敷きになった祖父の側から逃げようとしない
「おじいちゃんと一緒じゃなきゃやだー!」(そこを郷秀樹が助ける)
(→現代の作品なら祖父が「わしに構うな」と言って娘は泣く泣く逃げそうだが
「一人だけ逃げる」という発想が寸毫も無く「死ぬ時は一緒」思想が徹底)
●『帰ってきたウルトラマン』(第五話「決戦!怪獣対マット」)
・MAT本部で、早急にツインテール攻撃を命じる長官とのやり取り
 郷「逃げ遅れた人間が5人、地下に閉じ込められています」
 長官「東京都民一千万人の命を守るためだ。この際5人のことは忘れよう」
 (→「東京都民一千万」を「本土」に「5人」を「沖縄」に替えて考えると…)
 郷「5人も一千万人も、命に変わりありません!」
 長官「長官の命令に背く者はどうなるか、知っておろうな?」
 長官の前でMATのバッジを外して、MAT司令室を出てゆく郷
 (→映画「2/26」のラスト青年将校たちが階級章をはぎ取られるのの逆)
 長官「なぁに、いざという時はウルトラマンが来てくれるさ、ハハハ」
 (→結局、在日米軍任せかよ)
 すかさず司令室を出て郷に一人でつっこむMAT上野隊員
「お前何のためにMATに入った? MATに入って何をしたっていうんだ?
 帰るところがあるからって、これじゃ無責任すぎるじゃないか!?」
 その後さらに、単身アキの救助に行く郷を手伝いに来た上野隊員
「俺はお前のように帰るところがない、だからMATに賭けてるんだ」
(→郷と上野の違いは、まるで応召軍人と職業軍人の違いに見える)
●『イナズマンF』(第12話「幻影都市デスパーシティ」)
・デスパーシティのサイボーグ兵士要員ハント
「いやだー、助けてくれー」と叫びながら走ってくる少年
 追ってくるデスパー兵士と、デスパーシティ市長サデスパー
「ここでは15歳になるとみんなサイボーグにされてしまうんです」
(→まるで徴兵じゃねえか)
・デスパーシティ内部の協力者の弟
 (実は裏切ってイナズマンをデスパーに密告していた)
「俺はデスパーシティの外に出たかったんだ?」
 (上原氏が『七人の刑事』用に考えていた幻のシナリオ腹案「パスポート」(米軍占領下当時の沖縄から出たかった若い男の話)とそっくり)
●『宇宙刑事シャリバン』(第42話「戦場を駆けぬけた女戦士に真赤な青春」)
・ダム地下の秘密基地に向かう伊賀電と、同志のイガ星人戦士のベル・ヘレン
 ダムの上で思いつめた顔の婦人(実はレイダーの刺客)を見かける
 基地に来て
 伊賀電「いいかいヘレン、俺以外の人間に、あのドアを開けちゃいけないよ」
 伊賀電が去ったあと、ダム上をモニター監視するベル・ヘレン
 さっきの婦人を「自殺するつもりじゃ……?」と飛び出してしまう
 謎の婦人が男と一緒に写っている写真を見るベル・ヘレン
 ヘレン「どなたかここで(亡くされたんですか)?」
 謎の婦人「このダムの建設に関わって、豪雨の時に見回りに……
 強引にでも、引き止めれば良かった……」(まるで戦争未亡人のようだ)
 (一瞬、オーバーラップする、ヘレンの同志が殺された場面の回想)
 結局、不意打ちにやられてしまうベル・ヘレン
 助けに来たシャリバン
 ヘレン「シャリバン、ごめんね…」
(→洞窟みたいな場所で、篭もってないといけないのに、人を助けるつもりで
 当人は良かれと思って出て行って、死ぬ、というパターン)
――まあしかし、ご興味を持たれた方は、上原氏自身の著書『金城哲夫 ウルトラマン島唄』(https://www.amazon.co.jp/dp/4480885072/)と切通理作怪獣使いと少年』(https://www.amazon.co.jp/dp/4800306159/)をご一読されるのが一番お勧め。

 


上原氏にはその後、東日本大震災の記憶も生々しい時期の2011年夏、月刊『ヒーローズ』の創刊準備号のため再び取材した。このときも、琉球人としての「外部からの視点」を強調し、均質化して海外に向けない現代日本人への違和感や、琉球と同じく歴史的には日本の僻地だった東北へのシンパシーのような意識を語っていたのが印象的だった……。
――思えば、わたしがなぜ特撮オタクなのかといえば、小さいころからずっと、人類に殺される怪獣ゴジラや、左右非対称の醜い人造人間のキカイダーや、『ウルトラマン』で地球の人々に見捨てられた恨みの炎を放つジャミラや、『帰ってきたウルトラマン』の「怪獣使いと少年」で市民に袋だたきにされるメイツ星人などなどの姿に、人間社会で疎外される者の影を見てきたからだ。
そこから、単純な善悪で割り切れない世界、差別される者の孤独と悲哀を感じ取った人間は、きっとわたし一人ではないはずだ。
そんな感性を忘れない「昭和の子供」を作った一人が上原正三だった。
――ありがとうございました。

それでは皆様よいお年を

炎上回避のためほかにSNSもやってない中、なんかもう年に1度の生存報告みたいになってますが、とりあえず更新。
■2019年最後の挨拶とか年間ベストとか
頭の整理も兼ねた、本年触れたもろもろの年間ベスト。
1.TVドラマ『いだてん 東京オリムピック噺』
2.小説『火星人類の逆襲』『人外魔境の秘密』
3.評伝『怪帝ナポレオン三世
4.エッセイ『二階の住人とその時代』
5.小説『室町少年倶楽部』『室町お伽草紙
6.エッセイ『歴史としての戦後史学』
7.TVドラマ『ゲゲゲの女房』(再放送)
8.映画『i 新聞記者ドキュメント』
9.映画『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』
10.国立科学博物館「恐竜博2019 THE DINOSAUR EXPO」
列外.映画『仮面ライダージオウ Over Quartzer』
■1.『いだてん 東京オリムピック噺』
脚本:宮藤官九郎https://www.nhk.or.jp/idaten/r/
本作を誉めたい点は山ほどあるが、最後までクドカンがクトカンであることを曲げず、それを許すスタッフと製作体制が守られたことに拍手したい。
現代劇、知名度の低い人物、劇中での妙なツッコミ、多数の敗者が中心で英雄不在のドラマ……そら人気でないのも当然だよ。でも、それをわかって「大河ドラマはかくあるべし」に寄せなかった度量を買いたい。
クドカンは一貫して、ぱっとしない側の人間の心情や、格好悪い男の嫉妬や気まずさをごかまさず、それでいて笑える雰囲気に描いてきた。本作はそのテイストが、世界大戦、関東大震災、昭和のファシズム大東亜戦争……といった重たいテーマを、教科書的でなく等身大の実感あるものにしてくれている。
考えてみれば、戦国時代や幕末が舞台の王道的大河ドラマは、たいてい最後に主人公が悲惨な死に方をするが、本作はかなり平和で健全な終わり方ではないか。
序盤から主役のはずの金栗四三のほか、役所広司嘉納治五郎といい、森山未来美濃部孝蔵(ヤング古今亭志ん生)といい、生田斗真三島弥彦といい、キャラが立つ人物が多すぎて話がブレたのも贅沢な悩みと言うべきか。
あと「真夏にマラソンをやると死ぬ」という啓蒙は重要、超重要。おい小池百合子森喜朗! 『いだてん』ちゃんと観てたか?
ちなみに、『鎌倉幕府のビッグ・ウェンズデー』久保田二郎(角川文庫;https://www.amazon.co.jp/dp/4041622042)によると、1912年の日本の五輪予選では、無名の人力車夫が金栗四三に勝ったが代表選手になれなかったという。峯田和伸の演じた車夫の「清さん」こそ消えたヒーローだったのか?
■2.小説『火星人類の逆襲』『人外魔境の秘密』
横田順彌:著(https://www.amazon.co.jp/dp/410142103X/
上記『いだてん』にも登場する押川春浪東宝特撮映画『海底軍艦』の原作者)のほか、格闘家の前田光世など明治末の実在人物が多数活躍する幻の怪作。
絶版で一時期は数千円の根がついていた物を、副業で古本屋の店番を始めた浅羽通明氏(https://twitter.com/asabam1)から格安で入手。
このシリーズ、読んでると1960年代東宝特撮映画のビジュアルしか思い浮かばない。『火星人類』は、劇中の「火星人類が女性を手籠めに」という流言が、すごく本当にありそうで笑う。後半、火星人に攻められた日本の危機に乗じて、ロシア、続いて米国やドイツまで日本に派兵の危機という展開がいかにも当時らしい。
『人外魔境』は、恐龍と軍隊のバトルよりも、原始人類に野球を教え込む話を大真面目に徹底した方が面白かったのではないか。
■3.評伝『怪帝ナポレオン三世
鹿島茂:著(https://www.amazon.co.jp/dp/4062920174/
仕事のため初めて全編通読。ルイ・ナポレオンが、イタリアの革命組織カルボナリ党澁澤龍彦の『秘密結社の手帖』にも記載)と交友があったとか、ウージェニー皇后の家庭教師を務めていたのは元軍人で作家のスタンダールと、その親友のメリメだったとか、意外な話が山積み。それにしても、皇帝一族なのに古典教養がなく、「上からの社会主義」を実行した三世は早すぎた近代人だったのだな。
■4.エッセイ『二階の住人とその時代』
大塚英志:著(https://www.amazon.co.jp/dp/4061385844/
1970年代後半~1990年代初頭までの徳間書店と月刊『アニメージュ』をめぐる歴史証言。大塚の筆致は「古典教養のある先人に比べれば自分は二流のおたく」というコンプレックスがうざいが、それゆえの面白さといえる。
オタク文化を育成した徳間書店のルーツであるアサヒ芸能が、花田清輝野間宏安部公房加藤周一らが参加していた真善美社につながるという話、東映動画などの初期のアニメ関係者が影響を受けた映像理論のルーツが、イタリア未来派やロシア未来派など戦前のモダニズム前衛芸術にあるという話は興味深い。
そもそも漫画・劇画は映画監督エイゼンシュテインモンタージュ理論の応用で描かれている、メディアミックスという言葉を使うと見えなくなる本質だろう。
■5.小説『室町少年倶楽部』『室町お伽草紙
山田風太郎:著(https://www.amazon.co.jp/dp/4167183153/
「室町もの」は未読だったが、本年は仕事(後述)のため南北朝の争乱とかについて調べたので、手を出してみた。
『室町少年倶楽部』は、純朴な少年だった足利義政細川勝元らが無為無策で意図せず非運の結末(応仁の乱)に至る話。まさに「締まりのないギリシア悲劇」。しかし、いわゆる「名将」は戦乱で町を焼き払うのみで、政治に興味のない鈍物・足利義政の築いた東山の庭園は残った。義政はいわば、室町のルートヴィヒ二世か。
『室町お伽草紙』は、10代のころの織田信長が、同じく青年期の上杉謙信武田信玄と3人で美少女を奪い合う話。こう聞くと、思わず「ラノベかよ!?」と突っ込みたくなるが、最高のラノベである。桶狭間の戦いならぬ「桶屋形の戦い」、大坂夏の陣ならぬ「大坂秋の陣」、清洲同盟ならぬ「三角州同盟」など、遊び心に溢れるおふざけ満載。
■6.エッセイ『歴史としての戦後史学』
網野善彦:著(https://www.amazon.co.jp/dp/4044003998/
昨年購入したのをやっと読了。「支配者交代の歴史」ではなく「民衆の歴史」が学問として確立される過程の証言。
若い頃の網野善彦は、渋沢敬三を中心とする日本常民文化研究所で働いていたせいで、昔の左翼仲間から「アメリカ帝国主義のスパイ」と呼ばれたという。しかし、網野は「紛れもない資本家」出身ながら文化事業に協力を惜しまなかった渋沢を絶賛する。というか、日本はほかに文化事業に協力的な金持ちが少なすぎる。
日本常民文化研究所が1950年代に各地の漁村から膨大な量の古文書を集めたものの、コピー機もスキャナもない時代ゆえ筆写の手間が追いつかず、整理できないまま死蔵され、半世紀近くを経て返還しているが、元の持ち主が不明だったり死去して返せない物が大量、という話がせつない。でも、そんな作業をやりながら『無縁・公界・楽』とか『異形の王権』とか書いてたんだから凄い。
■7.TVドラマ『ゲゲゲの女房』(再放送)
武良布枝:著(https://www6.nhk.or.jp/drama/pastprog/detail.html?i=asadora82
水木しげる(隻腕のラバウル帰り)の自伝は中学生の頃に読んで熱中したが、振り回される家族の視点で見るとまた一興。ゲゲゲの鬼太郎以前のド貧乏な貸本漫画家時代に全話の3分の2を費やし、重要な戦争体験の話をわざわざ後半に持ってきた構成がニクい。
■8.映画『i 新聞記者ドキュメント』
監督:森達也https://i-shimbunkisha.jp/
原一男の『ゆきゆきて、神軍』など、すぐれたドキュメンタリー映画は、気まずい雰囲気を正面から撮っているのが醍醐味。本作もその例に漏れず。政治家は現場を見ず、現場を見てきたジャーナリストは口調が鋭く、ただ平行線が続く。でも、森監督はあの外見のせいでみずから警察とのトラブルを招いてる気も……。
どうでもいいが、どの記者会見でも常に菅義偉官房長官のネクタイがホンの少し曲がっているのが気になって仕方ない。
■9.映画『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』
監督:マイケル・ドハティ(https://godzilla-movie.jp/
日本のSF特撮と異なり、多くの場面で瓦礫や煙や火焔が舞ってるため画面の視界が悪いのが、いかにも災害物映画っぽい。古代の神話になぞらえたかのように、怪獣がタイタン(巨神)と呼ばれるのがニクいね。芹沢博士ならあの死に方は本望であろう。あと雌という設定のモスラは、劇中で発音が「マァザァ」と聞こえる。
それにしても、1990年代以降の東宝怪獣オールスター物で、かつては単独で映画の主役を張って福岡市を破壊したラドンが、毎回モスラに比して小物扱いなのは九州の炭鉱街に住んでた者として哀しいなあ。
■10.「恐竜博2019 THE DINOSAUR EXPO」
国立科学博物館https://www.kahaku.go.jp/
鳥類のように子育てする恐竜の再現図、恐竜から進化した爬虫人類の想像図の立像などが見もの。超リアルな日本在来恐竜のCG映画に、頭はワニで体はサメみたいな魚竜がいたのを観て、長年の謎が解けた。『日本書紀』に出てくる「因幡の白兎」のお話で兎に騙されたのはワニなのかサメなのか本によって記述があいまいだが、あれはきっと魚竜だったんだ!(←違うわ阿呆)
■列外:映画『仮面ライダージオウ Over Quartzer』
監督:田﨑竜太(http://zi-o-ryusoul.com/zi-o/index.html
この映画の珍作・怪作ぶりはこちらで詳しく述べられてる。
https://b.hatena.ne.jp/entry/s/note.mu/rangatarou/n/n6541adc4c855
東映は何を勝手に、「仮面ライダー」というコンテンツに平成という時代のすべてを代表させとるのだ(平成ゴジラも、平成ガメラも、平成ウルトラもあるぞ)
平成ライダーは『ディケイド』の劇場版あたりから過去作品を利用してシリーズ自体を自嘲的に批評するような、メタ的な表現が濃厚になってきたわけだが、「しょせん幼児にオモチャを売るための番組だろ」という枠組みを逆手にとったかのように、劇中で仮面ライダーと呼ばれるヒーローキャラさえ出てくれば何をやってもOKと言わんばかりの自由度が炸裂。
バブル世代のおっさんである仮面ノリダーの木梨が、若い主人公に対し、自分は存在自体がパロディだが今を生きているお前は本物だと説くという痛烈な図式。
本作の悪役は、平成という時代そのものをリセットして美しく整え直すことを説くが、うがった見方をすれば、これこそ「歴史修正主義」ともいえる。
■本年、書き落としたことなど
●バブル時代に「コミュ力」という言葉がなかったのは当然。直に人に接する仕事のほうが普通だったから。わざわざ対人直接コミュ力が意識されるようになったのは、ネットの普及で人と直に接しなくてもできる作業が増えた結果。
●そもそも、女性を採用する企業が存在しなければ女性の社会進出はありえないわけだが、世の会社の経営者の圧倒的大多数は中高年男性である。女性の求人募集をしている会社の経営者は一人残らずみんな左翼フェミニストなのか???
●右も左も納得
「歴史上、そのときの多数派が間違っていることだって多々ある」
「例を挙げよ」
「みんな大本営の言うことを信じたけど大東亜戦争は敗北した」
「ほかには」
民主党が政権を獲ったとか」
●いずれ安倍政権が終了すれば間違いなく株価は下がる。すると必ず「左翼リベラル派のせいで株価が下がった」と言う奴が出てくる。だが、べつに左翼リベラル派に株価を左右する権限や能力などない。株価が下がるのは投資家が積極的に株を買わなくなるから。つまり安倍政権が終わるや株を買わなくなる投資家こそ反日
●こんな文豪ストレイドッグスの新キャラもいやだ
(旧版:https://gaikichi.hatenablog.com/entry/20160515/p2
安部公房:異能力「箱男」 段ボールをかぶると誰からも無視される(認識迷彩)
小松左京:異能力「アパッチ」 全身が鉄になる
稲垣足穂:異能力「A感覚」 尻が痛くなる
村上龍:異能力「昭和歌謡大全集」 燃料気化爆弾で全員抹殺
有吉佐和子:異能力「恍惚の人」 ボケる
ベンヤミン:異能力「複製芸術」 分身の術
オーウェル:異能力「動物農場」 豚にこき使われる
アシモフ:異能力「三原則」 AIやドローンを支配する
ディック:異能力「追憶売ります」 人の記憶を書き換える
マーク・トゥエイン:異能力「王子と乞食」 人のIDを入れ換える
フローベール:異能力「紋切り型事典」 どっかで聞いたような言葉しか言えなくなる
■回顧と展望
で、例によって本年やった仕事の一部を記載。
『30の都市からよむ世界史』(https://www.amazon.co.jp/dp/453219962X/
FGOにも出てくるバビロンを筆頭に、聖地エルサレル、アラビアンナイトの都バクダード、アレクサンドロス大王玄奘三蔵も訪れたサマルカンド、『罪と罰』の舞台サンクトペテルブルクヒトラースターリンも住んだウィーンなどを担当。
超訳 戦乱図鑑』(https://www.amazon.co.jp/dp/4761274174/
6世紀の「磐井の乱」から、江戸時代の「大坂夏の陣」まで約1000年の日本の主要な内乱、戦争をまるっと解説。ツッコミ部分はほぼ当方のセンスですが、監修の山本博文先生のおかげで、昭和期の教科書にはなかった最新の学説が反映されてます。
『武器で読み解く日本史』(https://www.amazon.co.jp/dp/4569769489/
終盤の小銃、軍艦、航空機、戦略兵器などの項目を担当。247pで九七式戦車のキャプションに三式中戦車のイラストが入ってしまったのは痛恨のミス。
『図解 古事記日本書紀』(https://www.amazon.co.jp/dp/4054066941/
同じお話でも古事記日本書紀でどう違うのか、ギリシア神話北欧神話など海外の神話・伝承でよく似た話との対比とか、けっこう細かく突っ込んでます。
『国境で読み解く日本史』(https://www.amazon.co.jp/dp/4334787673
後半の近代編以降を担当。樺太千島交換条約でロシアが損した点、小笠原諸島の先住民がたどった数奇な運命、満州国建国の前に幻に消えた「大高麗国」の構想、終戦時の連合軍による幻の日本分割計画、1週間だけ自称独立国だった八重山諸島、などの意外エピソードをいろいろ書いてます。
あと、3年前に手がけた『元号でたどる日本史』(https://www.amazon.co.jp/dp/4569765815)が「改元景気」で9回も増刷がかかったのはご愛嬌。
***
平成が終わった本年、高校を卒業して働き出してから30年、そのうち原稿料収入だけで生活してる期間が半分になりました。
令和も死なない程度に生きたいです。
それでは皆様、よいお年を。

「新しい伝統」という語義矛盾

伝統であっても、「僕の嫌いな要素は抜きとりたい」「僕の好きな要素だけでできた伝統にしたい」という人はいるだろう。

が、伝統とはもともと非合理なものであり、伝統に合理性を求めたら、その時点でそんなものはもう伝統ではないのだ。

それでは皆様よいお年を

最終回が第一話
はてなダイアリーは2018年度でサービス終了というので、15年間にわたって続けてきた、はてなダイアリー版「電氣アジール日録」は今日で閉鎖です。これまでお読みになられた奇特な皆さま、誠にありがとうございました。
今後ははてなブログに移行となりますが、例年、新年そうそうは書くことがないので放置状態となること請け合い。
いささかマヌケですが、同じ内容をはてなブログにも記載しました。
よって、新ブログでは最終回が第一話。まあ、マジンガーZの最終回にグレートマジンガーが出てきたようなものか。
2018年最後の挨拶とか年間ベストとか
例によって、とりあえず本年の年間ベスト。本年の後半は時間がなくて結構いいかげんです、ごめんなさい。
1.映画『タクシー運転手 約束は海を越えて』
2.映画『菊とギロチン
3.映画『シェイプ・オブ・ウォーター
4.小説『いやな感じ』
5.ルポ『ナツコ 沖縄密貿易の女王』
6.書評『辺境の怪書、歴史の驚書、ハードボイルド読書合戦』
7.評伝『権藤成卿
8.TVアニメ『ルパン三世 PART.5』
9.ルポ『80's』
10.エッセイ『0から学ぶ日本史講義』
列外.八王子夢美術館「王立宇宙軍 オネアミスの翼展」

1.映画『タクシー運転手 約束は海を越えて』
監督:チャン・フンhttp://klockworx-asia.com/taxi-driver/
1980年の光州事件を題材にした韓国映画。序盤のノリの軽さゆえ、後半の鮮烈さが際だつ。劇中の風景が日本とほとんど変わらん雰囲気だからこそ怖い。
本作はあくまで「実話をもとにしたフィクション」だが、戒厳令下においても普通の日常はあり、巨大な政変の最中、一般人には全貌がまったくわからない感じがリアル。
光州市を制圧した軍とかの当局が意外とずさんだったり、なぜか市外の警備担当があえて主人公を見逃そうとした場面など、逆説的にありそうな話という感じ。
一応はドキュメンタリー風の作品なのに、クライマックスでカーチェイスの見せ場を入れてくるエンタメ根性に苦笑。

2.映画『菊とギロチン
監督:瀬々敬久https://kiku-guillo.com/
生前の鈴木清順も深く思い入れていた、大正末期のテロ集団「ギロチン社」の顛末。
テロリストと対をなす、関東大震災下で「活躍」した自警団の気まずさに迫り、きりの良いところで話を終わらせずに引っ張った後味の悪さが秀逸。
多くのドラマで女子人気の高い東出昌大の演じる中浜鉄が本当にゲスっぽく、贅沢なるイケメンの無駄遣いが微笑ましい。
本作によると、女相撲の興行は江戸時代からの歴史と伝統があったという。それが現在ではすれてた一方、近代以降に西洋から輸入されたスポーツである高校野球で「女はマウンドに立つの禁止」という伝統が生まれているのはつくづく謎。
https://www.news-postseven.com/archives/20180801_731680.html?IMAGE&PAGE=1

3.映画『シェイプ・オブ・ウォーター
監督:ギレルモ・デル・トロhttp://www.foxmovies-jp.com/shapeofwater/
子犬のような半魚人がけっこうイケメン。
聾唖者やゲイに黒人の中高年と、従来のハリウッド映画なら主役になり得ないタイプの人間ばかりが集まった作品。しかし当然ながら、白人成人男性だけがでかい顔をしていた時代のアメリカにも、ぱっとしない奴はいた。
そして、主人公の仕事仲間である黒人のおばちゃんの亭主がけっこう保身的だったり、マイノリティがそれゆえ別のマイノリティに優しいとは限らない点が重要。それでも、劇中のゲイのじいさんなどは、危険を冒して友人をかばうから感動的なのだ。
全体的に薄暗い画面と、建物の適度な汚しが良い。今のSFでは「1960年代冷戦下」はかつての「戦時中」みたいな位置づけなのだろうな。

4.小説『いやな感じ』
高見順:著(https://www.amazon.co.jp/dp/4167249022
昭和初期、左翼勢力の内部で共産党と対立するアナキスト崩れが、ダラダラと生きのびつつ結局は右派の政治ゴロに堕していくお話。
タイトル通り「いやな感じ」としかいいようない怪作。時代背景は、神代辰巳の映画『宵町草』と、かわぐちかいじの漫画『テロルの系譜』に重複。
後半、軍への協力者となった元同志が語る自己正当化の理屈が痛烈。
「どえらい戦争をはじめたら、きっと日本は、しまいには敗けるにきまってる。どえらい敗け方をするにちがいない。だって今の軍部の内情では、戦争の途中で、こりゃ敗けそうだと分かっても、利口な手のひき方をすることができない。派閥争い、功名争いで、トコトンまで戦争をやるにきまってる。そうした軍部をおさえて、利口な手のひき方をさせるような政治家が日本にはいない。海軍がその場合、戦争をやめようと陸軍をおさえられれば別問題だが、海軍と陸軍の対立はこれがまたひどいもんだから、陸軍を説得することなんか海軍にはできない。逸る陸軍を天皇だっておさえることはできない。こう見てくると、戦争の結果は、どえらい敗戦にきまってる。そのとき、日本には革命が来る」(264p/文庫ではなく単行本版)
まるで「革命が起きるまで人民は苦しめるべし」と説いたネチャーエフの『革命家の教理問答』じゃねえか!

5.ルポ『ナツコ 沖縄密貿易の女王』
奥野修司:著(https://www.amazon.co.jp/dp/4167717476/
終戦直後、本土の経済圏から切り離された米軍占領下の沖縄で、台湾や中国との密貿易で荒稼ぎした女傑の記録。
地図で見ると一目瞭然だが、八重山列島与那国島沖縄本島より台湾に近く、しかも戦前まで台湾は日本領だったから、海上の国境を意識する感覚は希薄だった。
・戦前、南西諸島からは米領フィリピンへの出稼ぎが多く、1930年代の時点で、マニラでは出稼ぎの漁民でも上下水道、水洗トイレ、電灯、電気冷蔵庫完備のアパートに住めた。(113p)
アメリカの植民地でもこの生活レベルだから、本国はどんだけ進んでるんだという話で、米領フィリピンで生活した出稼ぎ者は「この戦争は負けるよ、沖縄は全滅する」と予見(124p)
――そら、無理もないわな。
・戦後の沖縄の各政党の立場、共和党琉球独立、社会党信託統治、社大党と人民党は本土復帰。本土復帰論は米軍から共産主義と同一視されて非難された(347p)
・占領統治時代の沖縄では、当選した議員が日の丸の旗を振って祝ったら「反米」と見なされた(350p)
――そらアメリカと戦争して占領されたんだから、反米独立が愛国だわな。

6.書評『辺境の怪書、歴史の驚書、ハードボイルド読書合戦』
高野秀行・清水克行:著(https://www.amazon.co.jp/dp/4797673532/
3年前に取りあげた『世界の辺境とハードボイルド室町時代』(https://www.amazon.co.jp/dp/4797673036/)のコンビの新刊。
・平地では輸送に馬車や牛車が使えるが、一定以上の標高になると徒歩でしか運べない。軍隊の兵站が非常に困難なので侵攻しても効率が悪い(35p)
・「日本」という国号は、中国大陸から見ての「陽が昇る地」という感覚を内在化している。ちっとも中華文化圏から意識が独立してない逆説(51p)
平将門の新皇政権では暦博士だけは任命できなかった。暦づくりは都の専門家にしかできない特殊技術。暦博士がいれば改元していた可能性(108p)
・米や麦など穀物が栽培されるようになると、穀物を用いた離乳食が作られ、出産の間隔が短くなるため人口が増えるという説(179p)
――などなど、興味深い話が多数。

7.評伝『権藤成卿
滝沢誠:著(https://www.amazon.co.jp/dp/B000J9EBKW/
忘れられた明治~昭和初期の農本主義者・権藤成卿の一代記。
韓国併合以前にアジア主義者が考えていた日韓合邦、古代の高句麗の版図を復活させた「大高麗国」の構想など、「ありえなかったもう一つの近代史」へのSF的想像力をくすぐる一冊。
それにしても、権藤に限らず、宮崎滔天とか当時の日本の右派思想家は神道ではなく儒学がバックボーンの人が多数。昨今、保守愛国を標榜しながら「漢文は必要ない」とか言ってる奴はニワカ。

8.TVアニメ『ルパン三世 PART.5』
矢野雄一郎:監督・大河内一楼:シリーズ構成(https://lupin-pt5.com/
序盤からルパン三世という人物自体が都市伝説化してるとか、複数ルパン三世代替わり説を暗示させるメタ要素で、2008年作品の『ルパン三世 GREEN vs RED』(舞台は我が地元・トムス・エンタテインメントのある中野区!)を連想。
最新ITと半世紀前から続くシリーズという、一見して相反する要素を巧みに接合した点は、英国の『007』シリーズのよう。
でも、歴代ルパン三世って、監督や脚本家ごとに作風も多様で、「ルパン一家さえ出てりゃOK」てぐらいコンテンツとしての自由度は高かったはず。
終盤、もともと五右衛門はルパンの敵だった話が出たり、ルパンの逃亡先がカリオストロ公国だと暗示したり(見ればわかるが明言しない演出)、旧作ファン泣かせの要素も渋い。
そして、この作り手が同年代の大河内一楼氏というのも感慨深い(10年前、一度だけ取材で話をうかがいました)。

9.ルポ『80's』
橘玲:著(https://www.amazon.co.jp/dp/4778316142/
作者は1990年代に『宝島30』の中の人だったというからには読まねばと思い購入。
SNSスマホもなかった1980年代、過激な性体験などを赤裸々に書いた少女雑誌が売れた背景として「自分たちと同じような女の子がなにを考え、なにをしているのか知りたかったし、なにより自分のことを語りたがった」(114p)という時代証言などは興味深い。
1989年の天安門事件後、中国関係の予想は「日本への難民大量流入(盲流)」が主流で、中国の経済発展を本気で唱えた者はほとんどいなかった(200p)なんて話は、「ああ、そうだったそうだった!」と膝を打つ。
タイトルは80'sでも90年代の話も興味深い。

10.エッセイ『0から学ぶ日本史講義』
出口治明:著(https://www.amazon.co.jp/dp/4163907718/
本年、仕事のために読んだ本では、ある意味で一番に立った。まだ単行本化されていない中世篇(『週刊文春』で連載中)も熟読しましたよ。「平安末期は源氏vs平家の一族あげての合戦ではない」とか「元寇鎌倉幕府の中央集権化が進んだ」とか、ここ10数年ほどの歴史学の新解釈が手っとり早く見通せる。

列外.八王子夢美術館「王立宇宙軍 オネアミスの翼展」
http://www.yumebi.com/acv85.html
初見のボツデザインとか、文字どおりチラシの裏に書かれた初期の構想メモまで見られた。当時のアニメとかオタ文化の枠を超えた背伸びがなんとも懐かしい。
本作品の、1920~50年代を意識したアールデコ・アールヌーヴォー風の美術だのメカだのは今見ても独創的だが、「現実世界では結局、もっと大量生産に適した、味気なく合理的なデザインが定着しちゃうんだよね…」と、つまらぬ感慨に陥る。

本年、書き落としたことなど
毎度毎度、時勢に遅れたことを書いているが、逆に「この話、前に書いたあれと同じじゃないか」と思うことは多い。
本年は、入管法改正で外国人労働者がどっと増えるという話の一方、外国人技能実習生問題が注目を集め、韓国が徴用工問題を蒸し返した。この辺について一つだけ述べさせて欲しい。
みんな、今こそ『日本残酷物語』(https://www.amazon.co.jp/dp/4582760953/)を読もうぜ!!
以前も書いたが(http://d.hatena.ne.jp/gaikichi/20130616#p2)、このシリーズを読むと、明治期から戦前まで、現代のブラック企業とほとんど変わらん詐欺雇用が横行していたことがよくわかる。
ことに、北海道開拓の裏面で使い潰された労働者たちの話は、『ゴールデンカムイ』の世界そのまんま。俺が平凡社の編集者なら、間違いなく本年、野田サトルに表紙イラストをお願いして『日本残酷物語』を増刷させてた。
技能実習生も徴用工も他人事じゃねえんだ、この国じゃ同じ日本人さえブラック待遇は当然だったのだ、そんななか外国人だけホワイト雇用とかありえねえだろという話。
ま、俺は「外国人労働者はどうせ増えない」という仮説を唱えてますけどね。
http://d.hatena.ne.jp/gaikichi/20171124#p2
このシリーズでは、中世や近世の話に目を向けても、村同士で水源をめぐって殺し合いとか、農民が落武者をぶち殺して所持品を奪ったとかの話は数多く、日本史に大量虐殺はなかったとか(https://rondan.net/1615)、真っ赤な大ウソっすよ。

回顧と展望
例年、忙しい忙しいと書いてるわりに何をやってるか他の人には謎と思われるので、本年やった仕事の一部を書いときます。
『世界史100人の履歴書』(https://www.amazon.co.jp/dp/4800280893/
青年期のチャーチルの賞金首はわずか25ポンド、少年期のガンディーの乱れた性生活、列車を時刻表通りに走らせたムッソリーニの偉業とかの話を紹介してます。
『港の日本史』(https://www.amazon.co.jp/dp/4396115202/
江戸時代の廻船問屋の発達、横須賀、呉、舞鶴佐世保の4軍港の歴史などを担当。
『30の「王」からよむ世界史』(https://www.amazon.co.jp/dp/4532198631/
カール大帝、スレイマン大帝、ナポレオン一世、ヴィクトリア女王などの項目を担当。
昭和天皇の名言』(https://www.amazon.co.jp/dp/4800282276/
昭和天皇実録』ほかから、戦前の軍に対する見解、家族に関する発言、戦後の各種式典での挨拶、などなどを多数収録して解説を担当してます。
『原寸大で鑑賞する 伝説の日本刀』(https://www.amazon.co.jp/dp/4800287138/
熱田神宮の所蔵刀、『ONE PIECE』でゾロが使用している刀、新撰組近藤勇が使用した阿州吉川六郎源祐芳、土方歳三和泉守兼定などについて書いてます。
ウルトラマンと戦後サブカルチャーの風景』/付録冊子(https://www.amazon.co.jp/dp/4905325129/
著者の福嶋亮大氏と、『帰ってきたウルトラマン』ほか多数の作品の脚本を手がけた上原正三氏の対談記事を構成。取材は同席してませんが。
付録の冊子は短いですが、文化発信地としての「辺境」沖縄と、1960~70年代TV・映画文化をめぐる、両人の深い視座が感じ取れる読み物になってると思います。
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例によって、会社員でない自分は年末年始も休みはなかなかありつけないません。
まあ、表に出ない仕事も含めて、お声がかかる内が華。
それでは皆様、よいお年を。