電氣アジール日録

自称売文プロ(レタリアート)葦原骸吉(佐藤賢二)のブログ。過去の仕事の一部は「B級保存版」に再録。

ところで、

どーしても少女を主体にした話にしたくて、かつこのキモさを除去する方法のひとつは、男が一切出ない話にすることである。例えば、セーラームーンの同人誌とかには『風と樹の詩』や『ポーの一族』を女子同士に置き換えたような、それはそれで異様な傑作があったりする。玉置勉強の漫画版『BLOOD THE LAST VANPIREA』も読者に断絶感を迫る快作だ。
上記の兵器・銃器オタクの友人は、シスプリラブひなみたいなのは思い切り馬鹿にして嫌ってても『あずまんが大王』は愛読していた。意外とそういう人は多いらしい(わたしも同作は嫌いでなかった)。『あずまんが大王』は「原因不明の大ヒット作」らしいが、その秘密は結局「男が出てこないこと」ではないかと思っている。
――とにかく、今のオタクジャンルエンターテインメントでは、等身大の普通の男(&少年)像が空洞化している、ということであろう。