電氣アジール日録

自称売文プロ(レタリアート)葦原骸吉(佐藤賢二)のブログ。過去の仕事の一部は「B級保存版」に再録。

こじつけ三題噺「旧ソ連」「悪マニ」「よしりん」

かつて1917年にロシア革命が起きた時、最初に政権の座についたのは、どちらかといえば穏健な社会民主主義者のケレンスキーだった。が、レーニンボルシェビキらの急進過激派勢力は、その政策を手ぬるしと突き上げた末、政権を奪取してしまった。こんな想像は今やするだけ無駄だろうが、もし万一ケレンスキーの政権が続いていれば、ロシアの社会主義は少なくともスターリンのものよりはマシになってたんじゃないかと思う。
それから80年余、今度は、ゴルバチョフが「社会主義の枠内での穏健な改革」のつもりでペレストロイカを始めたら、あっという間に「なんだ西側の方が良い物喰ってるじゃねえか、ああもうこんなバカらしい社会主義なんか全部ヤメだ」と勢いづいた民衆の前に、一気に共産政権は崩壊した。これも今や想像するだけ無駄だろうが、大局的に言えば、そりゃゴルバチョフにも多くの欠点はあるに決まってるだろうが、少なくともソ連崩壊後グルジアやら東シベリアやらカザフやらあちこちに出現している、マフィア上がりの政治家が跋扈しテロと内戦が相次ぐ政情よりは穏健でマシであったんじゃないかとは思う。
しかし、とにかく一度民意とか群集心理とかやらに支えられて勢いのついたものは簡単に覆しようないということだろう。