電氣アジール日録

自称売文プロ(レタリアート)葦原骸吉(佐藤賢二)のブログ。過去の仕事の一部は「B級保存版」に再録。

「正義のファシズム」でもファシズムはファシズム

ウェディング問題を考える会」の掲示板が賑わっていて、例えば、根拠不明の賠償請求を吹っかけておいて取り下げたウ社代理人の南聡弁護士には正式に謝罪を要求すべきではないか、などという意見が上がってたりして、わたしも「心情的には」深く同感している。
が、同掲示板を覗いてて思った――わたしは株式会社ウェディングを擁護する気は1ミリたりとてありはしないが――こうして「ウ社はけしからん」が疑う余地なき大前提となっている人間だけが集まっている場で議論を進め過ぎるのも、考えようによっては危険ではないか、と。こうした場では一方的に「ウ社弁護人の言うことはおかしい」というのが共通了解事項になりえても、法廷でもその見解が100%通るという保証は無いのだ。
先日半端な知ったかぶりを書いた西郷隆盛も、彼自身が不平士族の首魁として西南戦争を起こしたというより、周囲に祭り上げられてその位置についたと解釈すべきかも知れない。
ひょっとして悪マニのBeyond氏も同じ道を歩んでいないか? つまり、「ウェディング問題を考える会」の結成以降、ある意味では、もはや事態は、本来の当事者たる悪マニ主催者Beyond氏の手を離れ、周囲の暴走に陥りかけてないか? という危惧がある。当初は一個人の良心によって起こされたことでも、それが一度個人の裁量を超えて勢いづいた流れになれば、それが善意の下からのファシズムに転化する場合も往々にある。
こんなことを書けば顰蹙を買うであろうし、気が早いと言えば気が早いとは重々承知しているが、「ウェディング問題を考える会」の主旨に深く共感するからこその懸念である。これが薬害エイズ訴訟の末路の二の舞になっては目も当てられないというものだ。