電氣アジール日録

自称売文プロ(レタリアート)葦原骸吉(佐藤賢二)のブログ。過去の仕事の一部は「B級保存版」に再録。

「右翼/左翼」に代わり「利翼/理翼」ってどうよ?

十年以上前から、冷戦体制崩壊とは、結局、別に左翼の敗北でも保守の勝利でもなく、唯物論と資本主義の結合だったのではないか、と珍妙なことを考えている。唯物論と資本主義は矛盾しない、「理より利」という点に置いて(笑)
本来、産業社会の成果としての物質的豊かさとかいった、目に見えるもの、形の在るものばかりを評価する近代合理主義の行き過ぎに対し、伝統とか礼節とか倫理とかの形の無い精神性の意義を、「利より理」を説くのが、福田恆存とかの言う意味での保守だった筈だと思うが、今日、保守を標榜する側こそ「理より利」と化しているように見えてならない、唯物資本主義というわけである。