電氣アジール日録

自称売文プロ(レタリアート)葦原骸吉(佐藤賢二)のブログ。過去の仕事の一部は「B級保存版」に再録。

と言っても、才能と創作意欲だけでも生きられない

ってゆーか、滅多に書かない仕事の予告ネタバラシを書くと、実は今、ずばり「オタク、引きこもり、ダメ人間タイプが、いかにそーいう人間でもやってける仕事にありついて生きてゆくか」とゆーことを考える本の執筆に携わっている。
そーいう人間にとって一番理想的なのは、作家とか漫画家とかクリエイターとかになることだが、さて問題は、いかにして、表現者の業界に「潜り込む」かだったりする。
大日本印刷の校正係を務めながらホラー作家として大成した倉坂鬼一郎先生は、ホラー小説を書いても売れず、実質校正係で飯を食っていても、十数年にも渡り、幻想文学サークルに属する事で「俺はホラー作家だ」という意気を持続したのかなあ、と見える。
1990年代の「引きこもり芸術家の星」だった消しゴム版画家ナンシー関は、中央大学に通ってた学生時代、同大出身のコラムニストえのきどいちろうミニコミサークルに参加して認められたのがデビューのきっかけだった。
こういう仲間や機会や場に恵まれるかどうか、さらに初発の条件を言えば、東京にいるかどうかだけで、もう大きな分かれ目ができている場合もある。
――現在執筆中のこの仕事「引きこもりのきみでもクリエイターになれる」と、虫の良い一辺倒のキレイゴトの嘘八百を書き流す仕事には絶対せぬよう気をつけてはいるが、途方に暮れるばかりである。
(小林泰剛は、なまじイケメンでモテるから創作表現者になる意気も努力も芽生えなかったのかなあ……?)