電氣アジール日録

自称売文プロ(レタリアート)葦原骸吉(佐藤賢二)のブログ。過去の仕事の一部は「B級保存版」に再録。

日本海側がオモテで太平洋側がウラ

さて、今回の旅の目的地は大分県中津市である。中津は福岡県との県境に位置する。
ここは親父の実家と墓があり、兄貴がいまでも住んでいる(自分も小学生の頃3年間だけ住んでいた)。
福岡空港からJR博多駅に着くと、九州の日本海側を縦貫するJR鹿児島本線で博多から小倉まで(途中ボタ山を見るため寄り道して)行き、太平洋側を走るJR日豊本線に乗り換える。
鹿児島本線沿線には、九州大学九州産業大学福岡工業大学福岡教育大学九州国際大学(むかしは八幡大学といった)などが、ぽつん、ぽつん、と存在しており、これとほぼ並行して走る国道201号線沿いには、学生客を当てこんだロードサイド型ボウリング場だのカラオケボックスだのショッピングセンターがまたぽつん、ぽつん、と存在するという風景だ。
八幡から小倉にかけての製鉄街は昔に比べれば衰退しているとはいえ、福岡市と北九州市という二大都市圏を結ぶ線だけに、基本的には山がちなのに、沿線風景には宅地が多い。
ところが同じ福岡県でも日豊本線沿線は、がぜん農村地帯が多く、自動改札のない駅もざらである。皮肉なもので、宅地の少ない日豊本線沿いは平地が多く、水田が多数を占める(東京にいるとすっかり忘れるが、こっちの方こそ、本来の日本の風景だ)。
つまり、九州においては、現在の一般的呼称としての「表日本/裏日本」という定義とは反対なのだが、なぜこうなったかは簡単である。明治から昭和の政策では、必然的に、大陸への足がかりとなる朝鮮半島に近い側が発達したからだ。