電氣アジール日録

自称売文プロ(レタリアート)葦原骸吉(佐藤賢二)のブログ。過去の仕事の一部は「B級保存版」に再録。

製鉄所から来た住職

親父の墓のある寺の住職は、昔からの僧侶ではなく、20年前まで八幡製鉄所の会計係の職員をしており、入社したのはまさに高度経済成長期で、数万人の従業員がいた頃だという。
なんでも、八幡製鉄と富士製鉄の合併の頃、3億円の手形を持って、列車を乗り継ぎ、一昼夜かけて東京まで行ったそうである。
オイルショック前の話であるから、現在の貨幣価値で50億円はあったのではないか? やはり、肌見放さぬよう腹巻に手形を入れていたのであろうか。