電氣アジール日録

自称売文プロ(レタリアート)葦原骸吉(佐藤賢二)のブログ。過去の仕事の一部は「B級保存版」に再録。

2005-11-25から1日間の記事一覧

信じるものを喪った時代

梶原一騎が生まれたのは昭和11年(1936年)終戦時は9歳のはずだ。 今年、映画『男たちの大和』記者会見で、亡き梶原と同年輩の仲代達矢は、かつての自分は典型的な軍国少年だったが、昭和20年8月15日を境に大人たちは手のひらを返したように変わった、裏切…

「いい奴ってのは、死んだ奴だけさ」

結局『愛と誠』の大賀誠は、早乙女愛やその周囲の人々を守るため、彼女の父を破滅させかけていた黒幕政治家に迫り、偶然同じ場に現れた砂土谷の凶刃に倒れる。 これは、社会的な「無用者」が、自己犠牲によって人々の命を救い死花を咲かせて散る、という、黒…

奇説:梶原一騎のカミーユ・ビダン

梶原一騎ファンからも富野由悠季ファンからも石投げられそうだが、今しばらく「カミーユ≒大賀誠?」説にお付き合い頂きたい。 『愛と誠』の主人公、大賀誠は、幼児期、ブルジョワ令嬢の早乙女愛をかばって額に傷を負い、その怪我が重症となったため家庭が崩…

青春の地獄めぐりの後に

『Z GUNDAM HISTORICA』08号「ダカールの日」(講談社)発売(isbn:4063671917)。 例によって、エピソードガイドの図とキーワードコラムのほか、コラム現実認知RealizingZで、「ハマーンと混迷の時代の女性指導者」を、キャラクターガイド星々の群像で、コ…

なんとなくブログ開設2周年