電氣アジール日録

自称売文プロ(レタリアート)葦原骸吉(佐藤賢二)のブログ。過去の仕事の一部は「B級保存版」に再録。

中途半端な忠犬

『Z GUNDAM HISTORICA』06号「ゼータの鼓動」(講談社)発売。
予告どおり、キャラクターガイド「星々の群像」コーナーで、ティターンズきってのヘタレ犬ジェリド・メサと、ティターンズの野獣系ヤザン・ゲーブルをどどーんと概説。
……まあしかし、ジェリドの原稿書くため全編見返してる最中は○| ̄|_って気分になったよ、コイツ誉めるとこねえじゃん、と……
ヤザンは、Z後半、登場人物が理屈っぽいやつばっかになってる中、ああいうスカッと野獣なのが逆説的に見ててすがすがしい、ってのは良いんだが、深く考えると、それ以上でもそれ以下でも無し。
結局、原稿にも書いたが、ジェリドって、悪いコトすんのにも自分で自分に言い訳しながらという、あの中途半端さが、逆説的にリアルな人間くささなんだよな、と思う。
ヤザンシロッコも自分で自分に言い訳などしないからカッコいいが、じゃあお前ヤザンシロッコみたいになれるか? というと、そうでない人の方が多いはずだろう。俺もだ。
その意味で、ジェリドは、良い悪いでなく、なんか観る者の胸に残るキャラなのである。
そんなこの号の見どころは、ジェリドの不遇さを当人が追認してくれてるCV井上和彦氏のインタビューと、その次の頁に広がる、インタビュアーの愛が溢れた森口博子インタビューだろうか。そういや先日、よく有線とか流してる銭湯で「水の星へ愛を込めて」がかかってた。これもまた20周年。