電氣アジール日録

自称売文プロ(レタリアート)葦原骸吉(佐藤賢二)のブログ。過去の仕事の一部は「B級保存版」に再録。

2006年の新語?「グループマインド」

昨年、このブログでは、阿部謹也が日本的「世間」と呼び、山本七平が「日本教」あるいは「空気」と呼んだような、場の同調圧力というか、集団による逆らいがたい「ノリの強要」の問題をしつこく繰り返し書いてきた。で、
極悪鬼畜強姦集団スーパーフリーの手口とか
http://d.hatena.ne.jp/gaikichi/20050624#p2
悪徳商法の経営者、中間管理職の内心
http://d.hatena.ne.jp/gaikichi/20050622#p3
について、わたしなりの見解を述べてきたわけだが、それ関連で、実に言いえて妙な新語を発見した。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060127-00000001-maip-soci
社会ニュース - 1月27日(金)10時6分
京大元アメフット部員 婦女暴行 監督「人間として失格」

集団になると、何でもできてしまうと思い込む「グループマインド」が発生し、理性的な判断ができなくなることも事件発生を後押しした可能性がある。

「グループマインド」ですか。なるほど、うまいこと言う。
数年前わたしが一日付き合わされたMLMネットワークビジネス)団体の熱狂ぶりとか、まさにこれが当てはまりそうだ。
そう、個々には理性的でマトモな人間も、場のノリ、雰囲気が熱狂的になっていると、たやすくそれに皆で乗ってしまう、んで、新参者にもそれに従うのが当然だろと強要する、いや強要のつもりはない、その時ソイツは、本当にそれが「良い事」だと思い込んでるのだ、ではなぜ良い事だと思い込んでるのかと言えば、皆がそれに熱狂してるから……って、つまり、個人の意見がねえじゃん!
いや、似たような構図は、ネットの掲示板上などで誰かをバッシングすることが盛り上がってる時にも言えるだろう。
おーかた、関東大震災が起きた時も、こういう雰囲気で、誰か一人が「不逞朝鮮人が井戸に毒入れたんじゃないかと思うんだ」と言ったら、周囲のニ、三人が「不逞朝鮮人が井戸に毒入れたらしいぜ」と広め、町じゅうが「不逞朝鮮人が井戸に毒入れやがった、ど畜生あいつらぶっ殺せ」という『グループマインド』に陥ったとかいうようなハナシだろう。
さてこの「グループマインド」の裏には、それに異を唱えようものなら、自分の方がパージされる恐怖というものが張り付いている。件の京大アメフト部員にも、内心やめときゃ良かったと思った、と証言する人が出そうな気がする。姉歯も構造設計擬装依頼され、あとになってそう証言したさ。これからライブドアの内幕関係者も同じよーな証言するんだろうなあ……