電氣アジール日録

自称売文プロ(レタリアート)葦原骸吉(佐藤賢二)のブログ。過去の仕事の一部は「B級保存版」に再録。

6.評論『「反戦・反原発リベラル」はなぜ敗北するのか』

浅羽通明:著(isbn:448006883X
本書は左翼批判というより、動員が目的化した方法論の批判、「デモなどやらなくても政治が変われば結果良し」という話。その選択肢には、ロビー活動、外国勢力を引っ張り出す、ストライキなどのほか、究極的には暴動やテロだってある。
「意見が違う人」ではなく「立場が違う人」(そもそも政治や思想に興味自体ない親兄弟や近所の人)への働きかけの放棄、同意見の人間の世間でツルむ居心地の良さへの耽溺などの問題は、今やむしろ左翼よりネトウヨにも当てはまると思ったのはわたしだけか?
世の中は「敵と味方/右翼と左翼」の2種類でできてるんじゃない、じつは「無関係の第三者」が99%なんだよ! それに訴えられるかこそが重要。
あと、「空気読めなかった(近代的自我を持ってたともいう)」(177p)という一節は大笑いした。