電氣アジール日録

自称売文プロ(レタリアート)葦原骸吉(佐藤賢二)のブログ。過去の仕事の一部は「B級保存版」に再録。

一人のホルスト・ヴェッセルも生まれない平成日本

福岡在住の先輩と電話で喋ったら、役所の法律相談所に行くと、20歳そこいらの若者が自己破産の手続きに来ていて、そのくせ携帯電話で母親に「今日のカラオケの集まり、絶対行かんといけんったい」などとほざいていたという。おおかたカード破産の類だろうが、まるで当事者意識がないらしい。
わたしはもう10年以上煙草を吸ってない。それでも近年の禁煙ファシズムには違和感を覚える。昨今の煙草の広告、CMなんて、商品としての煙草じゃなく、煙草の有害さの広告、CMじゃねえかと。
それでいて、消費者金融の広告、CMが規制されないのはどういうことかね?
わたしは、借金は返せない方が悪い、という説にも一理あるとは思うけれど、自分自身表皮者金融に手を出した事のない人間だからこそ言ってやるが、昨今の、消費者金融で金を借りることが、あたかもコンビニでお菓子を買うことと変わらぬかのようにイメージ操作されてるのには、激しく倫理の退廃というか不快感を覚える。
大体「消費者金融」ってなんだ?「サラ金」だろ!「陰毛」を「ヘア」と呼び「女子高生売春」を「援助交際」と呼び「ユダヤ人皆殺し」を「最終的解決」と呼ぶのと同レベルのニュースピーク(G・オーウェル1984年』)である!!
学校では、いかにお金が稼げても金儲けのことしか考えてない人間は人としておかしいと教えられた。しかし、大人になると、企業社会は資本主義バンザイ真理狂が正義ということになっている。
わたしが子供の頃は無駄遣いは良くないと言われたものだ。しかし今やとにかく金を使え、そうしないと経済が回らない、消費が正義、となっている。そうして資本主義の豚ばかりが育つ。
こんな日本にするため三百万の英霊は死んだのかぁ?オイ!
(もっとも、坂口安吾的に言えば、特攻隊員だって生き残りゃ、ヤミ屋になってたかも知れないけどさ……)
仮に小泉君でも堀江君でも、消費者金融ネットワークビジネスMLM)とスパム送信事業者を独裁的に弾圧する政策を実行するというなら、断固支持してやろう。
――などと、ナチス突撃隊員のごとき妄想をしてたら、畏友奈落一騎君から「本物のナチスみたいなファシズム的熱狂と興奮と陶酔が来りゃ、今の若者も吹っ飛ぶ」と言う。
しかしなあ、今の日本の不満階級の若者は『マンガ嫌韓流』程度で溜飲下がっちまうんだぜ。『マンガ嫌韓流』、確かに書いてあることは「空は青い」とか「相撲取りは太ってる」とか「豆腐は四角い」とかわざわざ改めて言う程度には正しいのも、作者自身は、直に会えば絶対、私利私欲なき、空似の偽弟アルフォンスぐらいにいい奴なのは分かりきってるさ。
でもなあ、多分、同書の支持者は「日本民族はこんなに偉大!偉い!カッコイイ!」なんて建設的な熱狂も興奮も陶酔も求めてない。とにかく、自ら参加して、行動して、体を動かすのだけは嫌なのだ。でも、自分は座ってるだけで、自分より劣るもの、「バカにして良いもの」を見つけて「優越感の快楽」だけは欲しいんと違うか?
だから言ってやる、皮肉や嫌味抜きに、もし『マンガ嫌韓流』読んで民団をテロる奴が出たら山野車輪とその支持者は「本物」だと認めてやろう。その時には、手の平返して「韓国人の自作自演」とか言うなよ、国士、英雄と誉めたたえろよ、でなきゃオカシイよ、所詮彼らも、人権左翼と同様の、戦後民主主義の手の平の上の人間、ってことだ。