電氣アジール日録

自称売文プロ(レタリアート)葦原骸吉(佐藤賢二)のブログ。過去の仕事の一部は「B級保存版」に再録。

赤い衰勢

1月16日発売の『WAO!マガジン』第2号で、今度は「赤い彗星シャア・アズナブルに学ぶちょいワル男の美学」という、ベタベタな記事を担当させていただきました。
今回は『シャアへの鎮魂歌 わが青春の赤い彗星』(isbn:4847017005)の池田秀一氏と、『評伝シャア・アズナブル赤い彗星》の軌跡』(isbn:4063646750)の皆川ゆか氏への著者インタビューを併せて掲載。
池田氏の著書を(刊行直前のゲラ状態で)読んだら、声優をやる以前の役者時代、なんと往年のヒーロー石原裕次郎と共演経験があり、ガンダムのオーディションも最初アムロ役のつもりだった、といったエピソードから、取材時あえて「僕らの世代は、裕次郎さんや長嶋茂雄みたいな現実のヒーローがいない、だからみんなシャアとかアニメキャラクターに惹かれると思うんですよ。シャアは劇中では悪役ですが、池田さんにとってヒーローとは?」と質問したら、「僕はシャアは悪役とは思ってません」とキッパリ。池田氏は一時はシャアのイメージが固まり過ぎてちょっと嫌になってたと聞いていたが、それでもシャアは自分と二人三脚で成立したキャラクター、という自負は強い印象。ほか、今となっては歴史的ともいうべき証言多数を頂きました。
皆川氏とは一昨年『Zガンダムヒストリカ』でもご一緒させていただきましたが、「シャアはファーストガンダム当時から既に情けなかった説」など、ミもフタもない本音トーク多数を引き出せさせて頂きました。
――しかし、シャアをよく知るガンオタであれば「シャアに学ぶなんて何をアホなことを?」とおっしゃるかも知れない。だって、親友殺し上司殺しは言うに及ばず、実は重度のロリコンかつマザコンのくせに実の妹ほか多数の女を使い捨て、『Zガンダム』ではエゥーゴのリーダーとなることから逃げ回り、最後は地球に隕石落とし(未遂)……である。
が、『WAO!マガジン』は男の欲望肯定の娯楽男性誌である、だから、シャアは実に自分勝手で、無責任で、女を使い捨ててるが、それで男の欲望を実現してるから良いのだ!? ということにしてます(←オイオイ)。とりあえず少なくとも『日経キャラクターズ』では到底書きそうもない内容にはなってる筈。
ちなみに同誌には「ガンダム落語」で有名な立川こしら氏(立川志らくの弟子筋で談志の孫弟子なのだが、富野由悠季の大マニアとして有名)がご執筆してるんだから、もしまたガンダムねたやるなら是非ともお声を掛けましょうよお、と、編集をせっついております。
ついでに、この機会に、一昨年『Zガンダムヒストリカ』に執筆したコラムなどを、わたしの個人アーカイブ「B級保存版」に再録しときました。
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